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湘南育ちの男がブレイク間近! 初戦で圧巻ハット達成、旭川実を8強入りに導いたFWオニブチジデオフォー太郎が示す無限の可能性【総体】

湘南育ちの男がブレイク間近! 初戦で圧巻ハット達成、旭川実を8強入りに導いたFWオニブチジデオフォー太郎が示す無限の可能性【総体】


[総体3回戦]旭川実 2-1 矢板中央/7月28日/Jヴィレッジスタジアム

 父親はナイジェリア人で、母親は日本人。恵まれたスピードと身体の強さは折り紙付きだ。湘南ベルマーレの育成組織で育った旭川実のFWオニブチジデオフォー太郎(3年)がブレイクの可能性を漂わせている。

 7月28日に行なわれたインターハイの3回戦。矢板中央と対戦した旭川実は開始3分にロングスローの流れからDF三瓶翔耀(3年)に先制点を決められる展開となり、以降も相手のパワフルな攻撃と堅守に苦戦してビハインドを背負って後半を迎えた。

 攻撃陣がうまく噛み合っていなかったなかで「距離感を修正した」という富居徹雄総監督の言葉どおり、ハーフタイム以降はうまく立ち回って後半14分にMF渡邉颯太(3年)のPKで同点に追いつくと、終了間際に相手のミスを突いて最後はMF小山涼太(2年)がこぼれ球を押し込んで逆転勝利を飾った。
 
 実に17年度以来となるベスト8。北海道勢としても久しぶりの8強入りとなったなかで、今大会、ポテンシャルの高さを見せているのがオニブチだ。

 182センチ・80キロという恵まれた身体と身体能力の高さを武器に、大阪桐蔭との1回戦(5−2)でハットトリックの大活躍。意表を突いたロングシュートや高打点のヘッドでネットを揺らすなど、北の大地で磨いてきた才覚を如何なく発揮した。注目度が高まって迎えた松本国際との2回戦(1−1/8PK7)は無得点に終わり、続く矢板中央との3回戦も前半から相手のディフェンスに苦しんだ。

「矢板中央のセンターバックに何もやらせてもらえなかった。普通に力負け。結果的に試合には勝てたけど、個人で見たらうまくいっていない」

 それでも相手のタイトなマークに慣れてくると、後半は思い切ったプレーで前線の起点となった。3人がかりで来られたところを単騎で運んでサイドに展開。スピードを活かしたプレーや、ゴール前での跳躍力もスケールの大きさを感じさせた。

 富居総監督も「面白いですよ。このインターハイの1週間だけでも全然変わってきた」と振り返ったように、高校2年生までは目立った活躍ができなかったなかで、急成長をみせてきた。
 
 神奈川県の相模原出身。小学校時代は横浜FMユースで世代別代表歴もあるFW田中陽瑛と同じチームだった。そこから中学時代は湘南ベルマーレU-15に籍を置いたものの、中学1年と2年生の頃はオスグッドを発症してほとんどサッカーができず、中学3年生の頃にようやくプレーできるようになったものの、FWというポジションにもかかわらず3年間で3得点しか奪えず、U-18への昇格は見送られた。

 そこから進路を決める際に県外の高体連から誘いがあったが、母親が函館出身という縁と当時U-18プレミアリーグ高円宮杯で戦っていたことが決め手となり、旭川実への進学を決断。しかし、高校1年生の頃も怪我が多く、夏に右膝の外側副靭帯を痛め、冬には右膝の内側側副靭帯を負傷。そこから戻ってきたが、高校2年の夏に右足の太もも肉離れで戦線離脱し、なんとか選手権予選に間に合ったものの満足いくプレーはできなかった。

 怪我なくボールが蹴られるようになったのは高校3年生になってから。経験値もまだまだ浅く、公式戦を戦った経験もあまりない。今夏のインターハイは自身初の全国大会。普段はプリンスリーグ北海道で戦っているため、県外の強豪校と戦う機会は限られている。だからこそ、そうしたハイレベルな戦いをひとつでも多く経験できる点はプラスで、右肩上がりで急激な成長を遂げているのも新しい体験を積み重ねられているからだろう。
 
 中学1年生の頃から湘南のトレーナーである山口俊輝氏と二人三脚で身体を作り、高校に入ってからは冬場に足もとの技術を徹底的に鍛えた。そうしたベースを作ったうえで、再びフットワークなどを磨き、今夏の活躍に結びつけたと言える。

 可能性は無限大。デンマーク2部のオールボーに加入したU-21日本代表のFWンワディケ・ウチェブライアン世雄も中学時代に大腿骨頭すべり症の影響でボールが蹴れず、高校3年生になってから頭角を現した。そうした例もあるだけに希望は大きい。

 身体が出来上がったことで覚醒できる準備は整った。今後の進路も未定で大学の練習参加もここから。今夏の活躍次第で今後が決まると言っても過言ではない。旭川実初の4強入り、そして日本一を果たし、自分の未来も掴み取ってみせる。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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