
小八重葵美と二階堂ふみがW主演を務め、西川美和氏が原案・脚本・監督を務める映画「わたしの知らない子どもたち」(10月16日[金]公開)に竹野内豊、役所広司、田中裕子、岡田准一、吉田羊、坂東龍汰らが出演することが決定し、役所ら出演陣からコメントが到着した。
■戦後の混乱期を「少年」として生き抜く少女と、彼女を探す元教師の物語
1945年、終戦。音楽家の父のもとで育ち、ごく普通の暮らしを送っていた12歳の少女・茅野琴子は戦争によって家も家族も失い、焼け野原となった東京で、たったひとり生きることになる。女性であることが生きる危険につながる現実を知った琴子は、少女という性を隠し、少年として生きることを決意する。やがて将吉をはじめ、同じように家や家族を失った少年たちと出会い、「吉田茂男」と名乗って彼らと行動をともにする。闇市を束ねる菊沢組の親分・菊沢徹から仕事をもらい、ともに支え合う仲間との日々は、戦後ひとりぼっちだった琴子が初めて見つけた「居場所」となっていく。
一方、担任教師だった曽根文美子もまた、敗戦によるイデオロギーの転換と、婚約者を失った中で教師としての誇りも生きる意味も見失っていた。しかし、父の友人から「琴子を探している」という知らせを受け、琴子を探す旅に出る。曽根もまた、自らも失っていた人として生きる意味を少しずつ取り戻していくのだった。
やがて子どもたちは東京湾上の孤島の隔離施設へ送られる。そこでの過酷な環境の中で生かされている子どもたちの実態を知った新聞記者・諸積は、脱走すると決意する琴子たちを海苔漁師・山井甚平と妻・けいへ託す。山井夫妻は、突然現れた子どもたちを煙たがりながらも生きる術を教えながら、その命を明日へとつないでいく。戦争によって人生を変えられながらも懸命に生きた子どもたちの命の輝きと、その命を信じ、それぞれの選択で未来へつないだ人々の姿を描く物語となっている。
本作は9月10日(木)からカナダ・トロントにて開催される、北米最大の映画祭・第51回トロント国際映画祭(TIFF)のコンペティション部門となる「プラットフォーム部門」の「オープニング上映作品」に日本映画として初めて選出されている。
■竹野内豊、役所広司、田中裕子、岡田准一、吉田羊、坂東龍汰らの出演が決定
本作の主人公・琴子を演じるのは、オーディションにより抜擢された小八重。共に主演を務める二階堂は、複雑な陰影を持つ教師・曽根を演じる。竹野内は、戦争前まで文化的で幸せな家庭を築いていた琴子の父親役を務める。
役所と田中は、過酷な環境から逃げ出した子どもたちを温かく見守る漁師の山井甚平と妻・けいを、岡田は闇市で生きる子どもたちを大きな愛で受け止める新興ヤクザの組長・菊沢徹を演じる。また、孤児院の館長・鷹間乃生役を吉田羊、子どもたちの理解者となる新聞記者・諸積京一郎役を坂東龍汰が務める。
そのほか、櫻井海音、花瀬琴音、北村有起哉をはじめ、赤間麻里子、岩谷健司、つみきみほ、マキタスポーツ、プチ鹿島、サンキュータツオ、井上肇ら個性豊かな俳優陣が戦後の混乱期を生きる人々を立体的に描き出す。
■役所広司(山井甚平役)コメント「子どもたちの眼差しをしっかり受け止めてほしい」
心からこの映画を見て欲しいと思います。子どもたちの眼差しをしっかり受け止めてほしい。彼らは、戦争孤児という役を演じる中で、当時の孤児たちに思いを馳せた瞬間があったに違いない。主人公、琴子をはじめ子どもたちの眼差しが胸に刺さります。日本映画史の中で、大切な作品が生まれたと思います。この作品に参加された全ての皆さん、お疲れ様でした!そして、おめでとうございます!
■田中裕子(山井けい役)コメント「琴子に会えてよかった」
映画「ゆれる」を見て、凄い作品だなぁと思っていました。その“西川組”に出れるなら、是非出たいと思って参加させていただきました。琴子に会えてよかった。
■岡田准一(菊沢徹役)コメント「『火垂るの墓』の後継作はこの作品」
西川監督の作品を心待ちにしていた一人として、この作品には映画としての面白さだけではなく、社会への問いが込められていると感じます。この作品は主人公・琴子を演じた小八重さんを含め、子どもたちが本当に素晴らしく魅力にあふれています。大人の責任を考えさせられ、問いがあるこの作品が多くの人の心に残り、語り続けられる作品になってほしいと思います。「火垂るの墓」の後継作はこの作品。今見るべき作品かと思います。
■吉田羊(鷹間乃生役)「平和への祈りをこめて、たくさんの方へ届きますように」
尊敬する西川監督の作品に参加させていただき、大変光栄に思います。私が演じたのは、主人公・琴子が辿り着く戦争孤児救済施設の館長。撮影時は蝉鳴きしきる真夏、クランクインから既に3カ月が経っており、現場は朝から、小八重葵美さん演じる琴子が生き抜いてきた先の"今日この瞬間"をクルー全員でじっと見守っている、そんな温かさに満ちていました。
一方で、西川監督は大人、子ども、キャリアの区別なく一人一人を尊重し、エキストラの子どもたち含め俳優全員に目を届かせておられるのが印象的でした。恥ずかしながらこの作品に関わらせていただいて初めて、戦争孤児について学びました。戦争体験者が年々少なくなる中、映画もまた、その役割を引き継いでいけるようにと願ってやみません。平和への祈りをこめて、この映画がたくさんの方へ届きますように。
■坂東龍汰(諸積京一郎役)コメント「俳優としても大きな財産になりました」
西川美和監督の作品に触れるたび、その人間をまっすぐ見つめる眼差しと、心を深く揺さぶる物語に何度も感動してきました。西川監督の作品に、諸積という役で参加させていただけたことを心から光栄に思います。 諸積は、戦後を生きる戦争孤児たちの現実を目の当たりにし、自分に何ができるのかを必死に問い続ける若い新聞記者です。子どもたちの置かれた過酷な状況や、その小さな希望に触れるたび、諸積の正義感や葛藤を自分自身のことのように感じながら、一つひとつの場面に向き合いました。
西川監督は、常に作品を真ん中に置き、キャストやスタッフ一人ひとりを深く信頼して現場をつくってくださいました。その空気の中で、役と誠実に向き合い、自分に何ができるのかを考え続けられた時間は、俳優としても大きな財産になりました。 この作品は、戦後の物語でありながら、今を生きる僕たちにも問いを投げかけてくれる映画です。ぜひ劇場の大きなスクリーンで、この作品が持つ熱量や息遣いを受け取っていただけたら嬉しいです。

