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ジャパンサマーリーグと菊池雄星が手掛けるK.O.Hが提携──8月の沖縄で球児の才能開花を目指す

ジャパンサマーリーグと菊池雄星が手掛けるK.O.Hが提携──8月の沖縄で球児の才能開花を目指す

毎年、沖縄で開催される「ジャパン・ウィンターリーグ」などを手掛ける「株式会社ジャパンリーグ」が、今年8月17日に開催する「ジャパン・サマーリーグ」の概要を発表した。

 サマーリーグは高校野球を終えたばかりの選手が参加する独自のリーグ戦。沖縄県の高校球児を中心に県外からも多数の選手が参加している。

 今季で2回目の開催となるが、そのサマーリーグにおいて、メジャーリーガーの菊池雄星が手がけたスポーツ複合施設「K.O.H」と業務提携を結んだことが発表された。

 最新機器などを導入して選手育成を手掛ける、同施設の手法を取り入れることになる。高校野球までは開かなかった才能が、8月の沖縄で開花する期待が高まる提携と言えるだろう。

 ジャパンサマーリーグにおけるK.O.Hとの業務提携は、一見すれば「著名な選手が関わる施設との連携」という話題性のあるニュースに見えるかもしれない。

 こうしたリーグ戦のイベントや野球教室にありがちなのは、「著名な選手」を起用することによる集客や社会的な価値を見出すというのがある。
 
 しかし、今回の発表で本当に注目すべきなのは、ジャパンウインターリーグが求めたのは看板ではないという事実だった。
  なぜ、ジャパンサマーリーグは、有名人ではなくK.O.Hという施設・取り組みとの協力を選んだのか。ジャパンリーグの代表・鷲崎一誠はこう語る。

 「K.O.Hさんとの提携に関しては、一番はソフト面というか、人の部分かなというふうに思っております。実際に岩手・花巻にスタッフが視察に行きまして、施設をしっかりご案内いただきました。本当に素晴らしい環境で、全天候型でやられているというところを理解した上で、やっぱり僕らが提携する1番の理由としましては、優秀なトレーナー陣がいるというところです。今回、参加いただく赤上さんであるとか、河内山さん。ウィンターリーグではよりレベルの高い人を呼びたいというところからスタートしています。そういった中でいろいろアイデアが出たんですけれども、一番はK.O.H さんが誇る投手コーディネーター、トレーナー陣に来ていただきたいというところが要因かなと思います」

 今回のサマーリーグに参加するK.O.Hのピッチングコーディネーターの赤上優人氏は元西武ライオンズに所属した元プロ野球選手だ。
 2020年の育成ドラフトで西武に加入、2022年に支配会契約を勝ち取った。怪我などにより2024年で現役は退いたものの、そもそも、赤上コーチは大学から投手に転向したという珍しいタイプ。そうした経験も大きなプラスになるだろう。
  まだ身体的にも発展途上な高校球児にとって必要なのは、自分の身体をどう使うのかを知ることだろう。

 今抱えている課題にどんな練習を当てるのか。そして、リーグが終わった後に学校や自宅へ戻ってから、何を続けていくのか。こうした問いに一人ひとりの状況に応じて向き合える人がいることが、成長のきっかけになる。

 赤上氏は会見のなかで、サマーリーグでの意気込みをこう語っている。

「私は本格的に投手を始めたのは大学生からで、これから投手に挑戦する選手だったり、投手として成長したい選手の気持ちも理解しながらサポートできるかなというふうに思っています。 一人ひとりの課題や悩みが違うので、全体的に伝えることは伝えますが、一人ひとりの課題や身体の作り方、使い方に合わせたドリルだったり、トレーニングを提案して、またその環境でできる練習だけじゃなくて、家に戻ってできる練習だったり、学校に戻って継続できる内容っていうのをお伝えしていけるかなというふうに思います。 このサマーキャンプが高校生にとって成長のきっかけになるように、全力でサポートしていきたいと思います」。
  鷲崎代表は常日頃から「サマーリーグはスカウティングリーグではない」と話している。結果的に大学進学などにつながるケースはあるものの、夏の大会で十分な出場機会を得られなかった選手、次のカテゴリーでの飛躍を目指す選手、あるいは野球に一区切りをつけようとする選手まで、それぞれが自分の目的を持って参加できる場をつくることだ。

 いわば、それぞれの参加者にとっていかに有益なものになるか。それがK.O.Hとの提携によって実現できるという確信があるのだろう。

 素人目に見ても、赤上選手のような大学から花を咲かせたような選手の助言は経験者として貴重であるし、そこにK.O.Hの先進的な指導を受けられるというのは高校球児が新たな感覚、野球観を手にする適した環境とも言える。
  K.O.Hを手がけた菊池雄星が、提携に際してコメントを寄せている。

「私たち K.O.H はジャパンリーグがかける大きなビジョンと理念に深く共感し、この度パートナーとして歩ませていただく運びとなりました。 K.O.Hの根幹には環境が人を育てるという信念があります。 選手が夢の実現に向かって本気で挑戦できる環境を作り、その挑戦を支え続けることが未来の野球の発展につながると信じています。ジャパンリーグ様のプラットフォームは、選手たちが自分の可能性を信じ、未来を切り開くための大切な舞台です。 この場所で本気で挑戦した経験は、野球人生において必ず大きな財産になるはずです。 私自身もこれまで数多くの挑戦を自ら選び、成功と失敗を繰り返してきました。 その一つ一つの経験が今の自分を作っています。 このリーグから一人でも多くの選手が夢をつかみ、いつの日かプロの舞台で共にプレーできることを私自身も心から楽しみにしています」

 サマーリーグは8月17日に開幕。5日間の日程で開催される予定だ。7月31日まで選手を募集している。

取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト) 

【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園は通過点です』(新潮社)、『baseballアスリートたちの限界突破』(青志社)がある。ライターの傍ら、音声アプリ「Voicy」のパーソナリティーを務め、YouTubeチャンネルも開設している。
配信元: THE DIGEST

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