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FIFA会長の「W杯売却構想」に非難轟々 UEFAはボイコットを示唆「サッカーの魂を売るな」 他大陸連盟も突然の提案に失望の色を隠さず

FIFA会長の「W杯売却構想」に非難轟々 UEFAはボイコットを示唆「サッカーの魂を売るな」 他大陸連盟も突然の提案に失望の色を隠さず

北中米ワールドカップが閉幕したばかりの中、FIFA(国際サッカー連盟)のジャンニ・インファンティーノ会長が打ち出した新たな構想が、サッカー界全体に大きな波紋を広げている。

  FIFAは新たな商業会社「FIFA Forward Enterprise(FFE)」を設立し、W杯やクラブワールドカップなどの商業権を一元管理。その一部を民間投資家へ開放する計画を発表した。インファンティーノ会長は、「世界中のサッカーの民主化」を掲げ、得られた資金を加盟211の連盟・協会へ還元することで、競技全体の発展に繋げたいと、この構想の目的を明かした。

 英国の日刊紙『The Guardian』によれば、FFEは放映権、スポンサー契約、チケット販売、ライセンス事業などFIFAの商業活動を一括管理する組織となり、FIFAは経営権を維持したまま、「少数・非支配株式」のみを外部投資家へ売却する方針だという。記事の中で、FIFAは「最終的には100億ドル(約1兆6400億円)を超える追加資金を世界中のサッカーへ再投資する」としている。

 アメリカの通信社『AP』によれば、インファンティーノ会長が各国連盟・協会に対し、この構想への参加意思の有無を9月19日までに示すよう要請。「もし承認されれば、全ての連盟・協会は一時金として2000万ドル(約33億円)を受け取ることができる一方、否決された場合は、従来予定されていた1000万ドル(約16億円)の支援に止まる」という。

 この突然発表された構想は、各方面から猛烈な反発を招いた。とりわけ強く反応したのがUEFA(欧州サッカー連盟)で、「サッカーの魂を売ろうとしている」と強く非難し、「サッカー統治機関が、決して越えてはならない一線を越えた」との声明を発表。さらに、「サッカーの魂やガバナンスは、取り引きされる資産ではない。まして、誰が利益を得るのかも透明性がない状況ではなおさらだ。我々の誰ひとりとして、サッカーの所有者ではない。FIFAに売る権利はない」と厳しく批判した(『The Guardian』紙より)。

 またUEFAは、加盟55協会による緊急オンライン会議の開催も検討。2021年に隔年でのW杯開催構想を阻止したように、必要であれば、今後のFIFA主催大会のボイコットという手段も排除していないという。
  一方、CONCACAF(北中米・カリブ海サッカー連盟)は、「多くのサッカー関係者が、議論もないまま、規定が守られないまま、計画が策定・公表されたことに失望し、懸念を抱いている」と指摘し、「あらゆる決定は、適切なガバナンス、厳格な意思決定、長期的視点に基づかなければならない」と強調した(フランスの日刊紙『Le Figaro』より)。
  AFC(アジア・サッカー連盟)も同様に困惑を隠さず、「革新的な取り組みを模索することの重要性は認めるが、それほど重大な案件は、透明性と十分な協議の上で進められるべきだ」と訴え、一方的なFIFAの提案に失望を隠さなかった。

 さらに、850以上のクラブを代表する「European Football Clubs/欧州クラブ協会(EFC)」も強い懸念を表明し、「これほど大規模な提案である以上、FIFA主催の大会を支えるクラブが十分に協議へ参加するのは当然だ。サッカー界全体に関わる問題については、より厳格で透明性の高いガバナンスが必要であり、それこそが長期的な安定と持続可能性に繋がる」と主張している。

こうした団体ですら、「メディア報道で初めて計画を知った」ことに対して、『The Guardian』紙などがネガティブな反応を示しているが、各国メディアや有識者の多くは、この構想そのものについて、民間資本の参入によって投資家の利益を優先する圧力が強まり、W杯開催頻度の増加や大会規模のさらなる拡大、収益性の高い開催国への偏重など、競技そのものが商業論理に左右されることを懸念し、批判している。

 しかしこうした猛烈な反発にもかかわらず、英国の日刊紙『THE Sun』は、「最終的には実現してしまう可能性は十分ある」と指摘。「2022年カタール大会の冬季開催も、当初は強い反対に遭ったが、結局実現した」と過去の事例を挙げ、「インファンティーノ会長の権力の大きさは、誰の目にも明らかだ」と指摘する。

 そして、「211の連盟・協会の過半数の支持が得られれば、計画は承認可能であり、FIFAが前述の通り各国へ2000万ドルの一時金や今後の大幅な資金増額を提示していることを踏まえ、「このような強力な後押しがある以上、多くの協会・連盟がこの構想に賛同する理由は十分にある」との見方を示している。

構成●THE DIGEST編集部

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配信元: THE DIGEST

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