(©2025 Lumière & Co. / Tarantula / Tellfilm / Vision Distribution)戦争映画といえば、過酷な戦地に赴いた兵士、つまり男性視点の作品が主流ですが、彼らの帰りを家で待つ女性たちの視点から、「戦争」を映し出す『ヒトラーの毒見役』が7月31日より公開。
戦争は、前線だけで起きるものではないという事実を突きつける本作を通して、改めて「戦争」について考えてみましょう。
■沈黙を破ったひとりの女性
(©2025 Lumière & Co. / Tarantula / Tellfilm / Vision Distribution)2012年、ドイツに住む1人の女性、マルゴット・ヴェルクが衝撃の告白をしました。
彼女は第二次世界大戦中、ヒトラーが食事をする前に、それに毒などが入っていないか、代わりに食べて安全を確認する「毒見役」を担っていたというのです。
この証言をもとに、ロッセラ・ポストリノが書いたベストセラー小説『ヒトラーの毒見役』を実写化したのが本作です。
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■毒の混入を試される命がけの食事
(©2025 Lumière & Co. / Tarantula / Tellfilm / Vision Distribution)物語の舞台は、1943年のポーランド。戦地へ向かった夫の帰りを待つローザ(エリーザ・シュロット)はある日突然、ナチス親衛隊に連行されます。
ほかの女性たちと共にローザが連れて行かれた先は、ヒトラーの総統大本営「ヴォルフスシャンツェ(狼の巣)」。
豪華な料理が並べられますが、それは歓待ではありません。親衛隊に銃を向けられながら、女性たちは料理を口へ運ぶことを強いられます。
やがて、ヒトラーの料理人だと名乗るシェフがこう告げます。「毒が入っていないか1時間後にわかる」。その瞬間、ローザは自分たちがヒトラーの毒見役として集められたと知り…?
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■「生き残る」ための戦い
(©2025 Lumière & Co. / Tarantula / Tellfilm / Vision Distribution)原作者ロッセラ・ポストリノは、マルゴット本人への取材を望んでいましたが、その願いはかないませんでした。
だからこそ本作は、史実をもとに、毒見役として生きた女性たちの恐怖を丁寧に描きます。食卓を囲む場面が多いぶん、女性たちは少しずつ心を通わせていきますが、その穏やかな時間は、いつ命を落としてもおかしくない現実の上に成り立っています。
歴史が示す通り、ヒトラーは敗北します。その運命に翻弄された彼女たちにとって、「戦争」とは何だったのでしょうか?
「戦争に勝つこと」が「生き残ること」だとするならば、ローザの選択が正しいかどうか、その答えを現代の私たちは問われているのかもしれません。
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『ヒトラーの毒見役』
7月31日(金)より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
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