アイドルグループ「BTS(防弾少年団)」が来年2月に開催される「第69回グラミー賞(Grammy Awards)」への作品エントリーを見送ると表明したことを受け、授賞式を主催する米レコーディング・アカデミーが「残念だが、その決定を尊重する」との立場を明らかにした。
米レコーディング・アカデミーは30日、「グラミー賞」の公式SNSを通じて、ハーヴィー・メイソン・ジュニアCEOの声明を公開した。
音楽プロデューサーであり作曲家でもあるメイソンCEOは、「BTSが今年の『グラミー賞』の選考プロセスに参加しないことを決めたと聞き、残念に思っている」とし、「しかし、私自身も音楽を作る人間として、彼らの決定を理解し、尊重している」とコメントした。
続けて「現在、やや見過ごされている点があるため、それを明確にお伝えしたい」と述べ、「『ベスト・アジアン・ポップ・ミュージック・パフォーマンス』部門は、アジアで生まれるポップミュージックの奥深さや多様性、そして目覚ましい成長を称えるために新設されたものだ」と強調した。
さらに、「受賞部門が増えるということは、それだけ多くのアーティストの作品が評価されることを意味する」とし、「決して誰かを区別したり分類したりするためではなく、1万5000人の『グラミー賞』投票会員が評価する対象をさらに広げることが目的だ」と説明した。
また、「もう一つ非常に明確にお伝えしたいことがある」として、「アジアン・ポップやジャズ、カントリーといったジャンル部門に作品をエントリーしたからといって、『年間最優秀レコード』『年間最優秀アルバム』『年間最優秀楽曲』などを含む『ジェネラル・フィールド』部門へ同時にエントリーしたり、審査を受けたりできなくなるわけではない」と補足した。
その上で、「『ジェネラル・フィールド』部門はジャンルを問わず、資格を満たすすべての作品に開かれている。ジャンル部門で評価されることと、『ジェネラル・フィールド』で評価されることは相反するものではない。アーティストは両方の部門で評価を受けることができる」と説明した。
最後に、「『グラミー賞』は音楽と、音楽を生み出すすべての人々のために存在している。今後も地域や言語に関係なく、影響力や会員、授賞部門を拡大し続け、世界中の音楽業界の声に耳を傾けながら、世界を動かす音楽を生み出すすべてのアーティストを称え、祝福するために努力していく」と締めくくった。
これに先立ち、「BTS」のメンバーは前日、SNSを通じて「私たちは今年の『グラミー賞』にはエントリーしないことにしました。音楽が地域や言語によって区別されるのではなく、音楽そのものとして聴かれ、愛されることを願っています」と発表していた。
これを受け、一部では「グラミー賞」がK-POPをはじめとするアジア音楽を対象とした新部門を設けたことへの問題提起を反映した“ボイコット”との見方も出ている。
レコーディング・アカデミーは先日、第69回授賞式から「ベスト・アジアン・ポップ・ミュージック・パフォーマンス」をはじめ、「ベスト・ラテン・ソング」「ベスト・トラディショナル・ポップ・ボーカル・パフォーマンス」「ベスト・R&Bコラボレーション(デュオ/グループ)・パフォーマンス」「ベスト・トラディショナル・フォーク・アルバム」の計5部門を新設すると発表した。
「ベスト・アジアン・ポップ・ミュージック・パフォーマンス」は、アジア市場で制作、または広く認知されたアジアン・ポップ作品の芸術的成果を称える部門。「K-POP」をはじめ、日本のJ-POP、中国のC-POPなどが対象となり、1つ以上のアジア言語を意味のある形で使用した楽曲が審査対象となる。
この新部門の創設を巡ってK-POP業界では、「BTS」をはじめとするK-POPアーティストのグラミー受賞の可能性が高まるとの期待がある一方、アジア音楽を別カテゴリーとして分類することで、主要部門である「ジェネラル・フィールド」との境界がより明確になるのではないかとの懸念も上がっている。

