男子テニスツアーのATP500シリーズ「ムバダラDCオープン」(7月27日~8月2日/アメリカ・ワシントンDC/ハードコート)は大会3日目の現地29日にシングルス2回戦が行なわれ、今季限りでの現役引退を表明している元世界ランキング4位の錦織圭(現719位)が登場。19歳の新星ラファエル・ホダル(スペイン/同24位)と対戦したが、3-6、2-6で敗れ、ベスト8進出はならなかった。
36歳の錦織は本戦ワイルドカード(主催者推薦/WC)を獲得した今大会が引退発表後初の公式戦出場。現地27日の1回戦では足のケガから約5カ月ぶりに復帰した中国出身の21歳シャン・ジュンチェン(元47位/同270位)に6-7(3)、6-3、6-4で競り勝ち、昨年5月の「ジュネーブ・オープン」(クレー/ATP250)1回戦以来約1年2カ月ぶりとなるツアー白星を挙げていた。
そして2回戦では、念願の新世代との対決が実現した。相手はまだ19歳ながら今年4月の「ハッサン2世グランプリ」(クレー/ATP250)でツアー初優勝を飾り、6月の「全仏オープン」(クレー)で初の四大大会ベスト8進出を果たした急成長株のホダル。実は錦織は今大会前のインタビューで“対戦してみたい選手の1人”にホダルの名前を挙げており、シャン戦後の会見でも「どんな挑戦になるかが楽しみ」と口にしていた。
迎えた注目の一戦は、錦織が第1ゲームから鋭いリターンでブレークポイントを握るなど積極的な入りを見せたが、あと1本が奪えない。反対に自身は第6ゲームをブレークされ、そのまま第1セットを失った。
第2セットも錦織が序盤でサービスゲームを落とす苦しい展開。直後のリターンゲームではブレークバックのチャンスを迎えたものの生かせず、中盤には再びブレークを献上し、1時間9分でストレート負けとなった。
勝ったホダルはオンコートインタビューで錦織に最大級の敬意を示しつつ、充実の表情で試合を振り返った。
「ケイは数多くのタイトルを獲得してきた史上最高の選手の1人。彼のようなレジェンドと対戦できたことは本当に光栄でした。だからこそ今日は自分のプレーを貫くことだけを考えていました。試合の序盤にうまくいっていなかった部分を修正できたと思いますし、プレー内容には本当に満足しています」
敗れはしたものの、錦織は2015年に優勝を経験した思い出のワシントンで大いに見せ場を作った。シャン戦では変わらぬフルセットでの勝負強さを発揮し、ホダル戦でも途中21本に及ぶ壮絶なラリーを繰り広げるなど、引退を控えた選手とは思えない存在感を示した。
錦織は次戦、マスターズ1000大会「ナショナルバンク・オープン」(8月2日~13日/カナダ・モントリオール)予選にWCで参戦予定。さらに今季最後の四大大会「全米オープン」では大坂なおみ(女子元1位/現13位)とのペアで混合ダブルスにエントリーしており、その後は母国開催の「木下グループ ジャパンオープン」(9月30日~10月6日/東京・有明/ATP500)に出場する見込みだ。現役生活はもう残り少ないが、1試合1試合、その雄姿を目に焼き付けたい。
文●中村光佑
【動画】錦織は新鋭ホダルに2回戦で敗退…DCオープン第3日ハイライト(錦織の試合は2分15秒頃から)
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