
「(デビュー)20周年ということでございまして、今回こういった贅沢な内容で。…お客さんにとって贅沢なのか、俺にとって贅沢なのか…全部、贅沢なんでしょうね」――山崎まさよし自身が語る、そんな贅沢尽くしのライブ「Yamazaki Masayoshi String Quartet“HARVEST”」が、デビュー20周年という“収穫期”にあたる2015年に開催された。その中から、クラシックの殿堂・東京文化会館で行われた公演の模様が、8月2日(日)夜8時30分より、CSホームドラマチャンネルにてテレビ初放送される。
■ソロやバンドとは一味違う、弦楽四重奏と紡ぐ“贅沢”な共演
なぜ同公演がそこまで“贅沢”なのか?それは、弦楽四重奏との共演ライブだからだ。山崎は普段、弾き語りのソロスタイルか、中村キタロー(Bass)と江川ゲンタ(Drums/Percussion)らを迎えた(3ピース)バンド編成スタイルでステージを行っている。ソロもバンドももちろんそれぞれの“味”が詰まっているし、だからこそ、この弦楽四重奏との共演スタイルがよりギャップで際立ち、プレミアム感があるのだ。
同公演は、室屋光一郎氏(Violin)、伊藤彩氏(Violin)、榎戸崇浩氏(Viola)、堀沢真己氏(Cello)による弦楽四重奏と山崎のギター・ピアノによるアコースティックライブ。デビュー曲「月明かりに照らされて」、ヒット曲「セロリ」をはじめ、当時の最新シングル「心の手紙」(2014年6月14日公開の映画「春を背負って」主題歌)を作曲家・編曲家の服部隆之氏による至高のアレンジで披露している。山崎の声もまた極上の楽器の音色のようで、強弱がいつも以上にハッキリとした、どこまでも贅沢な2時間半だった。
■チェロの重低音と艶やかな歌声が重なる「あじさい」の新たな表情
個人的に特筆すべきは、9曲目「あじさい」だ。同公演用のアレンジでイントロがたっぷりと加わった同曲は、チェロの心地良い艶やかな重低音から始まり、会場をゆりかごのように優しく包み込む。そこに山崎のいつもよりしっとりとした艶めかしい歌声と、一音一音を優しく掬い上げるような音の粒が会場に響き渡る。原曲は梅雨の時期の一瞬の晴れ間のようなポップさと哀愁があるが、弦楽四重奏バージョンは梅雨の時期の星空のようなロマンチックな儚さが味わえる。
■名曲「One more time, One more chance」の新たな感動
そしてもちろん、山崎の代表曲である名曲「One more time, One more chance」も素晴らしい。山崎のピアノの弾き語りと、その後ろからそっと支えるように同じレールに乗ってくる弦楽四重奏の演奏。あくまでメインは山崎の伸びやかでどこか切ない歌声と、力強く優しいピアノだ。ヴィオラとヴァイオリンの突き抜けるような伸びやかな高音がときに繊細に、ときに大胆に駆け抜けていく。何度も聴いている「One more time, One more chance」にまだこんな味わいがあったのかと、驚かずにはいられないプレミアムな一曲となっていた。
■全幅の信頼を寄せる服部隆之氏とのアコースティック世界
中盤のMCで服部氏がステージにサプライズ登壇するのだが、山崎は「水のない水槽」(1998年)から楽曲アレンジャーとして親交が深い服部氏について「服部さんが(アレンジを)描かれる場合っていうのは、ストリングスだけど、それ自体がもう作品なんですよね。作曲もされますから、アレンジが非常に想像力が掻き立てられるというか。歌とか曲に関しての出発点が何か違うような気がしますね」と語り、全幅の信頼を寄せていることが窺える。
そんな山崎と服部氏の世界観が融合した「Yamazaki Masayoshi String Quartet“HARVEST”」。このたび放送される映像では、贅沢な音だけでなく、その耳福をさらに増幅させる美しいアングルの映像が紡がれていく。テレビ初放送のこの機会に、ぜひ自宅のリビングで贅沢で豪華な山崎まさよしらの音の収穫祭に包み込まれてみてはいかがだろうか。
構成・文=戸塚安友奈
■「Yamazaki Masayoshi String Quartet “HARVEST”」(東京文化会館)セットリスト
01. 月明かりに照らされて
02. 僕はここにいる
03. コイン
04. ベンジャミン
05. 星に願いを
06. ア・リ・ガ・ト
07. 心の手紙
08. One more time, One more chance
09. あじさい
10. メヌエット
11. 水のない水槽
12. ツバメ
13. 花火
14. Flowers
15. ド ミ ノ
16. Fat Mama
17. 晴男
<アンコール>
18. セロリ
19. お家へ帰ろう

