大規模災害の際に首都の代替機能を担う「副首都」構想の関連法が延長国会で成立した。自民と連立を組む維新の肝いり政策だったため、野党側は「大阪ありき」と反発していたが、大阪のほかに福岡、愛知、広島、北海道、宮城が意欲を示している。
大阪府の吉村洋文知事は、大阪市と連携協約を結んで副首都指定を目指すようだが、実は今、大阪市は2つの深刻な問題に頭を悩ませている。
ひとつはゴミ問題だ。大阪市と周辺3市(八尾、松原、守口)のゴミ処理を担う「大阪広域環境施設組合」は、家庭や事業所から搬入されるゴミの焼却が追いつかないとして、公式サイトでゴミの減量とリサイクル推進を呼びかけた。
地元社会部記者が解説する。
「原因のひとつは焼却工場の稼働力不足です。計7つの焼却工場がありますが、ひとつは建て替え工事中で運転休止。ほかの6カ所も設備の定期メンテナンスに加え、複数の工場で設備故障が重なり、どの工場もパンク寸前。組合は大阪府内の別の自治体に受け入れを要請しています」
「設備更新には300億円が必要」という試算
もうひとつは事業系ゴミの増加だ。これは家庭ゴミより多く、全体の約66%を占めている。その背景にはインバウンドの増加があり、
「大阪・関西万博が開催された2025年、大阪府内の宿泊者数は5877万人で過去最多を更新。コロナ明けから、ホテルなどから出される事業系ゴミが急増したといいます」(前出・社会部記者)
さらには、大雨対策のポンプが使用不能になったこと。大阪市住之江区の住之江抽水所では、設置されているポンプ6基が6月26日午前、運転不能に。雨水を川に排水するためのポンプだが、この日の未明からの大雨で水没したことが原因だった。
大阪市政関係者が悩ましい表情で言う。
「市の試算では設備更新に約300億円が必要で、復旧には相当の年数が見込まれています。生野、阿倍野、平野、東住吉、住吉、住之江の各区の一部地域が普段よりも浸水に弱い状況になっており、市は大雨が予想される場合に、貴重品を浸水するおそれのない場所に移すなどの対策を呼びかけています」
副首都も結構だが、インフラ整備にしっかり力を入れるべきだろう。
(鈴木十朗)

