沖縄県辺野古沖で米軍基地建設反対運動の抗議船2隻が転覆、乗船していた同志社国際高校の生徒ら16人が死傷した今年3月の海難事故で、亡くなった同校女子生徒の遺族が7月30日に、都内で会見を開いた。
遺族は7月13日に校長ら学校関係者4人と抗議船の運行団体幹部ら7人を、業務上過失致死の疑いで中城海上保安部に刑事告訴。これを受けて、7月25日に第11管区海上保安本部が、同志社国際高校を家宅捜索していた。海難事故のため、捜査は沖縄県警ではなく海保が行う。
朝日新聞は7月22日付の有料配信記事で、自民党県議の話を報じている。
〈2015年から昨年までに、辺野古移設の抗議者や工事関係者らが刑法犯や道路交通法違反などで県警に検挙された事例が156件あったが、玉城知事が「辺野古移設阻止」を掲げるために「見て見ぬふりをしていたのではないか」〉
辺野古沖事故の遠因が、沖縄県のデニー玉城知事にあると言及。
毎日新聞も遺族の会見前夜に、有料記事を公開。同志社国際高校の校長が事故2日後に玉城知事を訪問し、沖縄での研修について「今後も同様に訪問させていただきたい」と話していたと報じた。
知事訪問時、校長は女子生徒が亡くなった事故現場に献花にも行かなかったと、高校関係者を名乗る人物からSNSで暴露されている。
沖縄県知事選の告示は8月27日(投開票は9月13日)。1カ月を切ったタイミングで、これらメディアが玉城知事の突き放しにかかっているように見える。
玉城知事は無党派層を意識して立憲民主党、共産党に推薦を求めない方針。新人候補の古謝玄太氏は自民党と国民民主党、参政党が推薦に向けて調整中で、日本維新の会と公明党もそれに続くとみられる。中道改革連合は機関決定しない方針で、立憲と公明、中道は割れている。
「高校卒」と認められない扱いになる「最悪のシナリオ」
同志社国際高校は事故を受けて、年度入学生向けの4月、5月、6月の説明会、オープンスクールと海外説明会を中止。8月5日に予定していた説明会は、8月28日に延期になった。
そんなタイミングでの刑事告訴について、女子高生の遺族は会見で次のように無念さをつのらせた。
「船長ひとりの事故で終わらせないため、告訴に踏み切った。学校の幹部は誰が捜査するのか。誰も捜査しないまま終わってしまうのでは、という不安があった。このまま時間が過ぎれば亡くなった船長1人だけが送検され、誰ひとり法廷で刑事責任を問われることなく終わってしまう可能性を感じた。私たちにはそれは耐えられない」
同校は研修旅行前に「辺野古沖見学コースは、在日米軍基地建設に反対する人たちを見る研修」と海上保安庁の警備妨害を想起させる説明をしていた。教職員と船長らは「乗船者リスト」を作らず、添乗員も引率教員も抗議船に乗り込んでいない。別の年の研修旅行では、基地建設現場近くで座り込み抗議活動に参加するよう指示されていた。
海保の捜査次第では、文部科学省から学校教育法に基づく「一条校(法令に基づいた正式な学校)」認可の取り消し、廃止命令が出て、在校生が「高校卒」と認められない「各種学校」扱いになる最悪のシナリオがあるのだが…。
来年度の新入生受け入れはできるのか。
(那須優子)

