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13年ぶり出場の近大附は初のファイナル進出も、悔しさを露わにしたエースの胸中――決勝で求めるのはゴールのみ。静岡学園に進学した旧友の前で真価を発揮できるか

13年ぶり出場の近大附は初のファイナル進出も、悔しさを露わにしたエースの胸中――決勝で求めるのはゴールのみ。静岡学園に進学した旧友の前で真価を発揮できるか


[総体準決勝]滝川二 0(3PK4)0 近大附/7月26日/Jヴィレッジスタジアム

 13年ぶりのインターハイ出場。下馬評は決して高くはなかった。しかしーー。3回戦で昌平を2−1で破るなど、破竹の勢いで勝ち上がって今大会の台風の目となっている近大附がついに決勝進出を決めた。

 前半から圧倒的に攻め込みながらも、肝心のゴールが奪えない。滝川二の牙城を崩せないというより、決定機を決め切れない流れだった。嫌な雰囲気のなか、最後はPK戦を勝ち切って準決勝を突破した。

「真夏の大冒険は終わらなかったですね」と笑顔を見せた寺師悠斗監督が言うように、チームの勢いは増すばかり。まさに怖いもの知らずで、劣勢になっても、ビハインドを背負っても、簡単に負けない雰囲気が漂っている。自信を深めているのは事実。指揮官も選手たちの成長ぶりに目を細めた。

「(メディアの取材に対して)奇跡とかミラクルとか言ってきたけど、本当にそんなことを言えない。あいつらに申し訳なくなる。それくらい堂々とプレーをやってくれています」

 試合後は大阪から駆け付けた大応援団と喜びを分かち合い、笑顔が弾けた近大附。しかし、悔しさを露わにする選手がいた。背番号10を背負うFW川西啓斗(3年)だ。 
 
 今大会は攻撃の切り札として、ここまで全試合に途中出場。元々はスタートから起用されていたが、インターハイ予選を怪我で棒に振ってから復帰後は流れを変えるジョーカーとしてチームのために新たな役割を担ってきた。「悔しいのは悔しい。でも、チームが勝てたらなんでもええかなという想い」。本人も複雑な胸中を少し見せながらも、今の自分にできることは何かを考えて全力でピッチに立っている。

 しかし、今大会はキレのある動きでトップ下からチャンスメイクしながらも、いまだ無得点。さらにこの準決勝では後半途中から起用されたが、決定機を活かせなかった。PK戦でも、決めれば勝利という状況下で5人目のキッカーを務めて失敗した。

「このPKは絶対に決めるぞと思っていたので、プレッシャーもあった。ちゃんとあそこで決め切れないのが自分の実力。練習して上手くなりたい。でも、何よりも70分の中でゴールを取ってPKに行く前に勝ち切りたい」

 悔やんでも何も変わらない。反省の弁を述べた川西の気持ちはすでに8月1日の決勝に向けて切り替えている。仲間に助けてもらっただけに、ファイナルの舞台ではチームを勝利に導くゴールを決めるしかない。

 相手は選手権制覇の経験がある静岡学園。テクニカルなチームで実力も確かだ。さらに静学には中学時代のチームメイトだったMF高丘泰昂(3年)がいて、今大会の途中からレギュラーを掴んで右WBのポジションで躍動している。

 開幕前だけではなく大会中も連絡を取っており、試合会場が同じだった準々決勝や準決勝では直接言葉も交わした。「楽しみやな」という話もした旧友の前で、真価を発揮できるか。虎視眈々とヒーローの座を狙う10番は、悔しさをバネに最高の結果を残すために準備を進めていく。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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