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「全国制覇をするために福島へ来たのに…」昨夏の雪辱を果たせず。大津の10番・山本翼が誓う「決め切る力をつけていきたい」

「全国制覇をするために福島へ来たのに…」昨夏の雪辱を果たせず。大津の10番・山本翼が誓う「決め切る力をつけていきたい」


 昨年のインターハイは2年生ながらFWの一角を担い、全試合にスタメン出場。神村学園との決勝では先制点を奪ったが、アディショナルタイムに追い付かれPK戦で涙を飲んだ。「もう1回あの舞台に立って優勝するのが自分の目標でもあった」。そう話すのは大津の10番として福島の地に帰ってきたM山本翼(3年)だ。今大会のパフォーマンスは際立っていた。

「昨年から試合に出ているのは自分の自信に繋がっている。責任とプライドは誰よりも強い。チームを引っ張らないといけない立場なので負けている時も勝っている時も、誰よりも自分がチームのために走って声を出そうと意識していました」

 そう口にする山本はこれまでセカンドトップやトップ下など攻撃的なポジションで起用されてきたが、5月以降はボランチとしてプレーしてきた。3列目で運動量の多さを発揮し、たくさんボールに触って攻撃のリズムを作ることが彼に与えられたタスク。ただゲームを作るだけでなく、積極的にゴール前へと顔を出し、得点にも絡んでいく。今大会はそうした10番に相応しいプレーを披露し、3回戦の山形明正戦ではPKとはいえ決勝点もマークした。

 静岡学園との準決勝でも山本の特徴が良く出ていた。「(大津は)一人ひとりの技術がしっかりしている。スペイン代表ではないけど、奪いに行っても奪えない」と敵将である川口修監督が下を巻くほどのボール回しの中心には山本がいた。個人で見ても静岡学園のプレッシャーを巧みにかわすため、ボールを失う場面はほとんどなかった。

 守備の切り替えも速く、ボールロストしても、MF芋生陵(3年)とのボランチコンビで奪い返し、ゲームを支配。決定機の数は相手よりも多かったが、1点が奪えないまま試合は進むと、後半開始直後にFW坂本健悟(3年)に打点の高いヘディングシュートを決められ、追いかける展開を強いられた。
 
 反撃に出たかったが、「フォワードにボールが入った時の前向きのサポートが、今日は遅れていた」と振り返ったように、これまでのように前線に絡めず、山本の良さであるフィニッシュに関与できない。試合終盤には相手ゴール前で二度、FKのチャンスを得たが、直接狙ったキックはともに枠を捉えることができず、0-1でタイムアップ。試合後、悔し涙を流した山本は言葉を振り絞った。

「悔しい気持ちでいっぱいです。前半から自分たちが理想とするサッカーができていたのは良かったのですが、決め切るところで決められなかった。チームとして力不足でした。アタッキングサードに入った時の関わりが少なく、シュートで終わる回数も少なかった。チームとしてもシュートを増やすべきでした」

「自分たちは全国制覇をするために福島へ来たのに日本一を取れなかったので、今後の選手権に向けてチームの力を上げていきたい」と続けたように、自らに課したノルマを達成できなかった悔しさは、冬で大津史上初の日本一を掴み取るためのエネルギーに変えるしかない。

「チームとしても個人としてもゴール前での怖さをもっと出していかないと勝てる試合も勝てないと思う。決め切る力をつけていきたい」。そう意気込む山本は選手権でさらに成長し、チームを勝たせる場面を何度も見せてくれるだろう。悔いが残る大会の去り方となったが、それだけの可能性を示したのは事実だ。

取材・文●森田将義

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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