
トレーディングカード売り場のイメージ(画像:写真AC)
【画像】「マジか…」 これが、ありえないほど高額で転売屋さえ手が出ない「ポケモンカード」です(4枚)
「偽造品対策」重視の方針、一般ユーザーの反応は?
2026年7月23日に自由民主党の有志議員が「トレーディングカード振興議員連盟(以下トレカ議連)」を立ち上げたのとほぼ同時に、「一般社団法人日本トレーディングカード協会(以下トレカ協会)」が始動しました。この動きに、一部のトレカ(トレーディングカード)ユーザーからは冷ややかな声が続出しています。
トレカ議連は、社会問題になっている「偽造品の流通」や「転売目的の大量購入」という問題を踏まえ、ルール整備をはかることを目的に立ち上げたそうです。一方のトレカ協会は、トレカを日本の重要な文化、産業として位置づけ、その健全な発展を目指すとしていました。
ともに偽造品対策を前面に出しています。その反面、「高額転売」や「買い占め」など、現在のユーザーを最も悩ませている問題の優先度が低めであるように見えます。この点が、一般ユーザーから支持を集めきれない要因でしょう。
ユーザーが信用できないと感じる要因は、ほかにもありました。発端は、トレカ協会の公式サイトで公開された「参加企業」が、トレカの製造元企業(メーカー)ではなく、中古販売となるシングルカード中心の企業だったことです。
その数日後、参加企業一覧が「COMING SOON」との表記になり、非公開となったことが、ユーザーの不信感を高める原因となりました。突然の非公開が「臭いものに蓋」に見えたのでしょう。
ただ、状況を冷静に見ていくと、企業側とユーザー側それぞれで「問題点」としている部分に大きな相違があります。
協会の目的は「ユーザー」とは別の方向性?
ユーザーが最初に不信感を抱いたのは、トレカ協会の参加企業が中古販売関連企業だったことです。なぜならユーザーが重要視する「高額転売」や「買い占め」という問題は、供給元である製造元企業との連携が最も重要と考えるからです。
逆にトレカ議連やトレカ協会が重要視する「偽造品対策」から見ていくと、商品を店舗に卸す製造元よりも、買取を行う中古品販売企業の方を重要視するのは当然でしょう。模造品による直接的な被害を受けるのは販売店舗になるからです。
近年「偽造品」が問題になる原因は、カードの高額化にあります。カードの偽造品自体は20世紀からありましたが、当時とは比べ物にならないくらい高額なカードが増えました。誤って偽造品を買取した店舗の被害は、数日分の売上を超える危険性があります。店舗によっては倒産の可能性だってあるでしょう。こうした事態を防ぐため、今回のトレカ議連とトレカ協会の立ち上げが必要だったのかもしれません。
背景として、一般的な印刷技術が進歩したことと、模造品を見抜く鑑定士のような存在がトレカ業界には多くないという点が挙げられます。大規模店なら数人は用意できても、小規模店にはいない可能性もあります。
トレカを取り扱う「店舗」を支援することを重視する取り組みならば、トレカ協会に参加する企業が中古品販売店舗ばかりになるのは当然かもしれません。いわば街にある小売店をフォローすることが、最も優先度が高い取り組みであるということです。
それでは、今回のトレカ議連設立とトレカ協会の活動は一般ユーザーをないがしろにするというのかというと、そうとも言えません。街のカードショップが減少すればユーザーが遊ぶ場所が減ります。店舗側が意図せずユーザーに偽造品を売ってしまうようなリスクは、ユーザーにとっても切実です。
そう考えていくと、今回のトレカ議連とトレカ協会の取り組みがどうなるのか注視すること自体は、ユーザーにとって不利益ということはなさそうです。もちろん、ユーザーに寄り添った今後の活動に期待したいところです。
