自分自身が審判である特色をもつゴルフだが、もちろんルール委員も存在する。この“ルール委員”の名称について、じつは違いがあることに突撃!
「米」と 「英」では異なる?“ルール委員”をなんと呼ぶ問題

今季の終盤を迎えているPGAツアーだが、今年1月の開幕戦で少々違和感を覚えたことがあった。会場内で待機しているルール委員が乗ったカートの表示が、見慣れた「RULE(ルール)」ではなく「REFEREE(レフリー)」に変わっていた。この件は早々に理由がわかって、私の記憶からも薄れていたが、しばらく経って再び思い出す機会が訪れたので、その際に詳しく取材してみたのが今月の内容だ。
事の発端は前述したとおり、今年1月のソニーオープンでのこと。顔見知りのルール委員がいつものゴルフカートに座っていたが、そのカートに貼られた文字が「レフリー」だったため「あれ?〝ルール〞じゃなかった?」と問うと、「そうなんだよ。今年からルール委員の正式名称である〝レフリー〞を使うようになったんだ。
ところが、仕事中にギャラリーから、この名称について頻繁に話かけられるから仕事にならずに困っている。だから、来月から元の〝ルール〞に戻すことになったよ」との返答。ギャラリーからは「〝レフリー〞ってなんだよ!縞々のユニフォームを着るのかい?レスラーはどこだ?」などとからかわれるらしい。
そのルール委員の話のとおり、2月の「ジェネシス招待」では、ルール委員のカートの文字は元の〝ルール〞に戻っていた。やはりこちらのほうがしっくりくる。そんなことがあったことも忘れていた7月、「全英オープン」に取材に行くと、またもや〝レフリー〞と書かれたカートに遭遇!

全英オープンはR&AやDPワールドツアー(欧州ツアー)の主催で、私と馴染みのないルール委員が乗っていたが、この件について話しかけてみると「前回のルール改正が行なわれた際に、ルール委員の名称が正式に〝レフリー〞に統一されたんです。なので〝ルール〞ではなく今は〝レフリー〞が正式な名称なんですよ」と、丁寧に答えてくれた。
これをきっかけに〝審判〞にあたる英語の呼称をいろいろ調べてみたが、競技によってさまざまだった。野球はアンパイア、バスケはオフィシャル、テニスはチェアアンパイア、柔道では映像で決まり技を確認する担当者をジューリー(Jury=陪審員)というらしい。〝レフリー〞と呼ぶのはサッカー、アメフト、プロレスなどで、アメリカではレフリーというとタテ縞のユニフォームを着たプロレスの審判のイメージが強い。

ちなみに、ゴルフでもマッチプレーの際に各組に帯同する競技委員のことを、昔からレフリーと呼ぶのが一般的だったことも知った。アメリカではレフリーという言葉にギャラリーが反応するのに、ヨーロッパではあまり反応されないのは、同じ英語圏でも地域差が大きいのかもしれない。いっそのこと、ゴルフの〝レフリー〞もタテ縞のユニフォームを着てはどうだろうか?
いかがでしたか? ぜひ、次回の世界のゴルフについての情報をお楽しみに!
フォトグラファー
田辺安啓(通称JJ)
●たなべ・やすひろ/1972年生まれ、福井県出身。
ニューヨーク在住。ウェストバージニア大学卒業後、ゴ
ルフコース、テレビ局勤務を経験し、ゴルフを専門とす
るフォトグラファーに転身。ツアーのみならず、コース
やゴルフ業界全般に関わる取材も行なっている。
取材・写真=田辺安啓
TEXT & PHOTO Yasuhiro JJ TANABE

