
「帰ってきたウルトラマン MUSIC COLLECTION」(日本コロムビア)
【画像】え、「これは斬新すぎる」「形がタコじゃないのにタコだ」 コチラが衝撃ウルトラ怪獣「タッコング」のデザインです
どうして「丸い」形になったのか? デザイン担当者の答え
1971年放送開始の『帰ってきたウルトラマン』にはじまる、いわゆる昭和二期「ウルトラ」シリーズにおいて、怪獣のデザインはぐんと多様化します。なかでも現在も新規性、革新性を保ち続けている怪獣のひとつが、『帰ってきたウルトラマン』の第1話、第2話に登場した「タッコング」です。
その名前の通り「タコ」の怪獣なのですが、そのデザインはまさにタコのモンスター、ひいては怪獣デザイン全体の革命でもありました。
もともとタコは、怪獣や怪物の人気モチーフです。宇宙人の元祖といえばタコ型ですし、『ウルトラセブン』にもタコがモチーフの怪獣「ガイロス」が登場しました。また1962年公開の映画『キングコング対ゴジラ』おいては、なんと実物のタコがそのまま「怪獣」として暴れ回っています。
しかし、タッコングはそれらと一線を画しました。タコの最大の特徴である触手がなく、茹でて丸まったような球体ボディに、恐竜のような手と足が生え、球体の下部から爬虫類を思わせる顔が飛び出しているのです。しかし赤茶色の体面には吸盤がぎっしり並び、それがタコの表象をかろうじて維持しています。
この革新的なデザインを担当したのは、池谷仙克さんという美術監督です。『ウルトラセブン』の途中より前任の美術担当者である成田亨さんから、「ウルトラ」シリーズのビジュアル部分を引き継ぎました。
池谷さんはこのタッコングのデザインに関して、次のように述べています。
「これはね、最後に丸まって転がればいいなと思ったんですよ。」
奇抜な姿には、ちゃんと理由がありました。池谷さんデザインの怪獣は、成田さんの抽象路線を引き継ぎつつ、「ツインテール」「ステゴン」をはじめ、着ぐるみ特撮の可能性を追求したものが多いのが特徴です。
「タッコング」も、単なる斬新さを狙っただけでなく、着ぐるみ特撮の動きを最初から念頭に入れたものでした。ちなみに、タッコングは『帰ってきたウルトラマン』で実際には、転がっていません。
触手もない。うねうねしていない。そんなタッコングですが、令和以降の「ウルトラ」シリーズにもたびたび登場しており、今の子供たちにも大人気です。
最もタコらしくないタコ怪獣が、最も有名なタコ怪獣になったのでした。
参考書籍:『豪怪奔放―円谷怪獣デザイン大鑑1971‐1980』(ホビージャパン)
