8月に入り、各地で酷暑が続く中、いっそうの熱中症対策が叫ばれている。デスクワーク中や外出時、喉を潤すために清涼飲料水やスポーツドリンクをガブ飲みするサラリーマンの姿も目立つ。しかし、喉の渇きを解消するつもりの水分補給が、かえって体に深刻な不調をもたらす「罠」となる場合がある。
特に注意すべきは、多量の糖質を含む清涼飲料水の過剰摂取によって引き起こされる「ペットボトル症候群」だ。これは大量の糖分によって体内の血糖値が急上昇し、激しい倦怠感やさらなる喉の渇きを引き起こす、急性の糖尿病症状。40代以降の代謝が低下した体にとって、冷たく甘いドリンクのガブ飲みは大きな負担となる。
最新のヘルスケア事情に詳しい医療ジャーナリストが警鐘を鳴らす。
「熱中症を防ぐつもりが、逆に体を壊しては本末転倒です。冷たい緑茶やアイスコーヒーをガブ飲みするのも避けましょう。カフェインが持つ強い利尿作用によって、体内の水分とともに貴重なミネラルまでが排泄されてしまい、逆に熱中症リスクを高めてしまうからです」
一般的な500ml清涼飲料水で上限に達する
では熱中症を防ぎ、かつ血糖値や胃腸に優しい「正しい夏の水分・塩分補給ルール」とはどのようなものか。医療ジャーナリストが続けて解説する。
「水分補給の最強の選択肢は、ノンカフェインでミネラルが豊富な『麦茶』や『ルイボスティー』、あるいは余計な糖分を含まない『ミネラル炭酸水』です。飲むタイミングとしては、喉が渇く前に常温に近い温度で少しずつこまめに摂取する。これが自律神経や胃腸を乱さないコツとなります」
なお、WHO(世界保健機関)は報告書の中で、1日の食事による総熱量(総カロリー)に占める砂糖の熱量を10%(約200〜260kcal)以下に抑えることを推奨しているが、
「一般的な500mlの清涼飲料水1本でこの上限近くに達してしまうケースが多いため、飲料選びの際は砂糖の含有量に十分な注意が必要です」(前出・医療ジャーナリスト)
ただ喉を潤すだけでなく、成分と温度に配慮したスマートな自衛策。正しい知識を武器にしてペットボトル症候群の罠を回避し、厳しい猛暑をタフに乗り切りたい。
(滝川与一)

