
リメイク版が発表された『ゼルダの伝説 時のオカリナ』 (C)Nintendo
【画像】「そうだったな」「覚えとかないと…」 これが最近「リメイク」が話題になった「名作ゲーム」たちです(5枚)
リメイクブーム=「若者のゲーム離れ」なのか?
近年のゲーム業界では、過去の名作タイトルの「リメイク」が相次いでいます。2026年6月には『ゼルダの伝説 時のオカリナ』のリメイクが発表され、大きな話題になりました。しかしその一方で、「最近はリメイクばっかり……」といった声も少なくありません。
実際、既存の人気IPの力をフルに活用できるリメイク戦略は、現代において合理的なやり方なのでしょう。多額の費用をかけて完全新作を開発するよりも売上が予測しやすく、開発リスクも低めです。当時遊んでいた世代をメインターゲットにしつつ、新規ファンの獲得も狙うことができます。
また発売当時には実現できなかった映像表現や遊びやすさの改善を盛り込むことで、名作を現代向けにアップデートできるという点も、大きな強みです。リメイクは単なる「焼き直し」ではなく、作品の価値を現代に合わせて磨き直す側面も持っています。
とはいえ、リメイクでもっとも盛り上がるのは、やはり当時遊んでいた世代でしょう。ひと昔前のゲームといえば「若者の趣味」で、若者をメインターゲットにしたゲーム開発が定石でした。
しかしリメイクが相次ぐ現状を見ると、どうも若者より往年のファンを意識しているように見えます。昨今は娯楽の多様化によって「若者のゲーム離れ」を指摘する声もありますが、それほどまでに若者たちはゲームから離れてしまったのでしょうか。
実際のデータを見てみると、必ずしもそうとは言えないようです。少し前のデータですが、2023年に発表された「Z世代のゲームに関する意識調査」(SHIBUYA109 lab.調べ)のアンケート結果によると、「ゲームをする」と回答したZ世代は全体の約8割に達していました。少なくとも、若者がゲームそのものから離れているとは言い切れないでしょう。
ただし「ゲームプレイヤーが普段利用している端末」についての質問では、「スマートフォン」が94.7%と圧倒的でした。一方で「Nintendo Switch」は38.5%、「PC」が33.2%という結果です。
また「ゲームガチ勢」「暇つぶしゲーム勢」と並んで、「コミュニケーション重視勢」が一定数存在している点も見逃せません。確かに若者に人気のゲームを見ても、『Roblox(ロブロックス)』『Fortnite(フォートナイト)』『Minecraft(マインクラフト)』など、他者との交流を前提にした作品が目立ちます。
Discordなどでつながりながらゲームをするのが当たり前な現代の若者たちは、オンラインを通じて昔とは異なるゲーム体験を積み重ねているようです。つまり「ゲーム離れ」が起きているというよりも、ゲームのあり方そのものが変化しているととらえる方が、実態に近いのかもしれません。
かつてはひとりでじっくり遊ぶ娯楽だったゲームが、いまでは他者とのつながりを前提とした体験へと広がりを見せているのです。そうした体験はやがて共有された記憶となり、いずれは「あのゲームで遊んだよね」と語り合う思い出へと変わっていくのでしょう。
『ゼルダの伝説』や『ファイナルファンタジー』に熱中した世代がそれらを「青春の一本」として懐かしむように、いまの若者たちもいつか『Roblox』や『Fortnite』を懐かしく振り返る日がやって来るのかもしれません。
