日本女子ゴルフ界で、また快挙だ。今年で50回目を迎える全英女子オープン(8月2日)に出場し、3打差2位から出た桑木志帆がプレーオフ2ホール目で制覇して、優勝を飾った。日本女子のメジャー制覇はこれで7人目。全英では2019年・渋野日向子、そして2025年の山下美夢有に続く連覇となる。
「信じられない。この舞台に立てていること自体、光栄なこと」
桑木は笑顔で優勝インタビューに答えていたが、メジャー優勝の快挙にはビッグなボーナスがついてくる。優勝賞金150万ドル(約2.4億円)を獲得、日本ツアーが主戦場の桑木がこの2季で獲得してきた年間の賞金総額を、わずか1試合でクリアした。
女子ゴルフ界では2019年に優勝した渋野と同郷の岡山県出身。4歳から始めたゴルフは父・正利さんとの二人三脚の歴史がある。
プロゴルファーを目指すにも、先立つモノはやはりお金だ。プロになればなったで、日本ツアーでも年間で最低1000万円以上の経費が毎年かかる。
「国内での移動や宿泊はすべて実費。キャディーとの契約などをいれれば、1試合出場するだけで少なく見積もっても、1人50万円は軽くかかります。勝てるプロになると、経費は一気に1年4000万円台にまで跳ね上がる」(ゴルフ担当記者)
JLPGA賞金女王レースのトップ「後半戦は日本ツアーで」
国内ツアーでは正利さんが自家用車で移動し、桑木のゴルフ用具などの運搬を続けた。民放局ゴルフ担当ディレクターが感嘆する。
「この親子がすごいのは、桑木だけ飛行機や電車などで移動している点です。日本ツアーとはいえ、本人に少しでも負担をかけたくない、という思いからですね」
2021年に合格率が数パーセントのJLPGA(日本女子プロゴルフ協会)プロテストに一発合格した桑木の後押しになったのは、
「地元・岡山はゴルフが盛んな地域。渋野が全英で優勝したことで、地元のスポンサーが支援する土壌が出来上がっていました」(前出・ゴルフ担当記者)
全英初制覇により、アメリカツアー後半戦のメンバー登録が可能となる権利を得た。本人さえその気になれば、8月から参戦できるが、
「後半戦は日本ツアーで戦うつもり」
と話している。
今季の桑木はJLPGA賞金女王レースで、僅差のトップを走っている。日本女子ゴルフ界は世界で勝つことが当たり前になってきた。
「弱い男子よりも勝てる女子」(前出・ディレクター)
他のプロスポーツとは違い、今後も女子中心で動いていく。
(小田龍司)

