男子テニスツアーを統括するATP(男子プロテニス協会)は、プロテニスを新たな高みに導くことを目標とする「One Visionプロジェクト」の一環で、現在「モンテカルロ・マスターズ」(クレーコート)と「ロレックス・パリ・マスターズ」(ハードコート)を除くマスターズ1000大会を従来の8日間・56ドローから12日間・96ドローに拡大している。しかし既報の通り、現役選手の間ではこの拡張フォーマットを支持する声はそれほど多くない。
現在開催中の「ナショナルバンク・オープン」(8月2日~13日/カナダ・モントリオール)と次戦の「シンシナティ・オープン」(8月13日~23日/アメリカ・シンシナティ)でも昨年から拡張フォーマットを採用。しかし今年のモントリオールは、先のウインブルドンで大会連覇を果たした世界1位のヤニック・シナー(イタリア/24歳)と3位のカルロス・アルカラス(スペイン/23歳)、5位のノバク・ジョコビッチ(セルビア/39歳)が欠場を表明しており、3選手が揃って同大会出場を見送るのはこれで2年連続となった。
一方、今年6月の全仏オープンで悲願の四大大会シングルス初優勝を達成し、ウインブルドンでも準優勝を飾った2位のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)はモントリオールに第1シードで出場予定。彼は大会前の記者会見で、上記3名が欠場を決めた背景には、マスターズの2週間開催が関係していることに他ならないと主張している。
「アルカラス、シナー、ジョコビッチの3人がこの大会でプレーしないのはこれで2年か3年連続になると思うが、それはマスターズが2週間に拡張されたことが原因だろう。全米オープン(8月30日~9月12日/アメリカ・ニューヨーク/四大大会)を控える中で、一部の選手にとっては期間があまりにも長すぎるのだと思う」
またマスターズ拡張の影響は自身のスケジュール編成にも大きな影響を与えているとズベレフは明かす。「マスターズの開催期間が今よりも短かった頃はATP500や250の大会に多く出場していた。でも今は、遠征期間や大会に滞在する時間が長くなったことで、そうした大会には出なくなった」
そんな彼が今大会への出場を決めたのは、自身が「試合数を重ねる必要があるタイプの選手」だからだ。シンシナティ、そして今季最後の四大大会となる全米オープンを見据え、ズベレフは最後をこう締めくくった。
「正直に言えば、このモントリオールで自分の最高のテニスができるとは思っていない。ただ、ここで試合をすることでシンシナティではもっと良いプレーができるようになると思う。そして願わくは、ニューヨークで最高のテニスをしたい」
文●中村光佑
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