コロラド・ロッキーズ菅野智之の去就問題がいよいよ、大詰めを迎えた。去る7月31日(現地時間)のロイヤルズ戦に先発した菅野は、7回途中1失点で11勝目を挙げた。マウンドを後続に譲る際、本拠地のファンは惜しみない拍手を送り、ベンチに戻ってからはチームメイトとハグを交わしていた。
「これが惜別の光景と捉えられています。トレード期限が8月3日に迫っており、この日の登板が『最後になる』とファンはみていました」(現地記者)
メジャーリーグの今季トレード期限は8月3日、アメリカ東部時間18時まで。下位に低迷するチームが主力選手を放出し、地区優勝を争っている上位チームは有望な若手選手を見返りとして出す。メジャーリーグでは「夏の恒例行事」となっている。
ナ・リーグ西地区で首位ドジャースに26ゲームも引き離されているロッキーズは、完全に「主力選手を手放す側」である。
「菅野はここ2カ月間、負けなし。チームとしては久々の2ケタ勝利投手であり、先発投手を補強したい球団が獲得に動くとみられていました」(前出・現地記者)
ところが他球団は、他のロッキーズ投手にも魅力を感じていたという。リリーフのアントニオ・センザテーラだ。今季は好調で、セーブポイントも挙げている。右のセットアッパーだが、51試合で52回1/3を投げて防御率は3.61である。
「欠点が改善されていない」とマイナス評価を下すスカウトも
菅野の11勝が高く評価されている理由は、本塁打の出やすい球場で奮闘してきたからだ。ロッキーズの本拠地「クアーズ・フィールド」が標高の高い地にあるためであり、それと同じ理由でセンザテーラも好投を続けている。
「センザテーラの今季の被本塁打数は4。菅野は21本を献上しています。菅野はすでに102イニング以上を投げてはいますが」(前出・現地記者)
菅野は昨年33本塁打を浴び、ア・リーグワーストを記録した。このペースでいけば、昨季とほぼ同数の被本塁打数をカウントすることだろう。そのため「欠点が改善されていない」とのマイナス評価を下したメジャースカウトもおり、「中継ぎだが、センザテーラの方が欲しい」という球団が実は多いそうだ。
「センザテーラは直球主体のピッチングですが、菅野と同じゴロアウトを量産するタイプです」(アメリカ人記者)
センサテーラはロッキーズ生え抜きだが、故障が多い。上位球団が本当に狙っているのは菅野か、それともセンザテーラか。
(飯山満/スポーツライター)

