男性の育休取得率が過去最高を記録する中、日本テレビの報道番組が取り上げた「男性の産後うつ」に、女性視聴者から反発の声が噴出した。
8月1日放送の「news every.サタデー」では、男性の育児休業取得率が50.9%となり、過去最高を更新したと紹介。その一方で女性だけでなく、男性の産後うつも課題になっているとして、都内に住む40歳の男性を取材した。
男性は8歳になる双子の父親。子供が生後1カ月半の頃から、約1年間の育休を取得したという。
ところが途中で妻が再就職すると、男性がひとりで双子を世話する時間が増えた。
「ひとりで見てなきゃいけないと、なんかあったら全部、自分のせいじゃないですか」
つかまり立ちを始めた子供が転倒しないか、トイレに行く間も不安だったと振り返ったのである。
やがて男性には思考力の低下や無気力感といった異変が現れ、うつ状態と診断された。
「僕、仕事ももううまく成果が出てないし、育児が楽しくなくなったら『あれ?なんもなくなっちゃうな』と思って」
その後、子供は保育園に通い始め、男性が仕事に復帰すると、症状は改善していったという。
男性の苦しさと女性の負担をどう区別して伝えるか
番組では、産後1年間にうつのリスクがあると判定される頻度は、母親と父親でほぼ同じ水準だとする調査結果を紹介。専門家は育児を担う男性が増えたことで、これまで見えにくかった問題が表面化していると指摘した。
ただし、である。この「産後うつ」という呼び方に「産んでもないのに」と違和感を抱く女性が多く出たのは、当然のことかもしれない。「育児ノイローゼではないのか」と。
出産による身体的ダメージやホルモン変化を経験する女性にとって、男性にも同じ「産後うつ」という言葉が使われることには抵抗があるのだろう。一方で、男性の育児による精神的不調を軽視すれば、妻や子供に負担が集中する可能性がある。
男性の苦しさをどうすくい上げ、女性の出産後の負担と区別して伝えるのか。育休取得率の上昇に伴い、言葉の選び方が問われている。
(野田おさむ)

