■2026年実写洋画No. 1のオープニングで、シリーズ最高記録を狙う!

全国365館(IMAX、SCREENX、4DX、ULTRA 4DX、MX4D、DolbyCinemaを含む)で公開を迎えた『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』。初日から3日間の成績は、観客動員97万3000人、興行収入15億5900万円を記録。夏休み期間であり、8月1日は映画サービスデーかつ“スパイダーマンの日”(1962年にスパイダーマンが初登場を果たした記念日)という相乗効果もあってか、2026年公開作では第6位、実写洋画では堂々No. 1の初動成績に。
前作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(21)の公開時はまだ週末2日間の集計だったため正確な比較はできないが、同作は祝日を含めた公開4日間で動員111万6000人&興収16億9200万円を記録していた。今作が3日間でそれに近付く好成績をあげたとなれば、前作の国内最終興収42億5000万円を超える可能性は非常に高い。もしそうなれば、MCU版「スパイダーマン」は第1作から右肩上がりで興収を伸ばしつづけることになる。

このように、シリーズ最高記録樹立も見えるほどのビッグスタート。ファン心理としては「スパイダーマン」なのだから当然と思ってしまいがちではあるが、これまでのマーベル映画、アメコミ映画の日本市場での成績を考えると想像以上ではないだろうか。たしかにサム・ライミ版「スパイダーマン」3部作は平均70億円超えの大ヒットを記録していたが、それを除くとマーベル作品で興収50億円を超えたのは『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19)ただ一本のみ。
複数のヒーローが集結する「アベンジャーズ」シリーズこそ『エンドゲーム』以前の3作とも興収30億円超えの安定感をもっていたが、単体ヒーローの作品となれば海外でどれだけヒットしていても10億円台がほとんど。『エンドゲーム』のように一つの時代の集大成を見届ける大団円的作品が大きく弾けるのは頷けるが、今回の『ブランド・ニュー・デイ』は“新章”の幕開けという逆パターン。しかもコロナ禍以降、世界的に“ヒーロー映画疲れ”がささやかれていたりもする。

そんな懸念をいともたやすく吹き飛ばしたのは、「スパイダーマン」というキャラクター自体が別格の人気を誇ることが理由の一つ。それに加えて、ゴールデンウィークごろから持続している映画館の活況、とりわけ洋画作品が勢いを取り戻したことがかなり大きいだろう。安定してヒット作が連発している現状は、“洋画不況”がようやく終わりを迎えようとしていると捉えていいかもしれない。このまま抜群の成績を収め、『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』(12月18日公開)を迎えたいところだ。
■『クレヨンしんちゃん』や『モアナと伝説の海』も初登場!

前週、初動3日間で動員150万人&興収22億4000万円という爆発的なオープニングを叩きだした『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』(公開中)は、週末3日間で動員76万6000人、興収10億7200万円を記録し2位に。初週末対比およそ半減で、累計成績は動員305万人&興収44億円。月曜日から木曜日までの平日4日間を動員80万人弱&興収11億円弱で推移したことになる。
間違いなく好成績ではあるが、初動の勢いを考えるとやや物足りなく見えなくもない。ただ次週末8月8日(土)からは数量限定の第2弾入場者プレゼント「ボンボンドロップシール」の配布が決定。もしかすると、入プレ効果で2週目末を上回る成績をあげ、ふたたび首位に返り咲きを果たすというパターンも充分に考えられる。

新作は『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』のほかに2作品がランクイン。3位に初登場を果たしたのは、劇場版「クレヨンしんちゃん」シリーズの第33作『映画クレヨンしんちゃん 奇々怪々!オラの妖怪バケ~ション』(公開中)。初日から3日間で動員44万1000人、興収5億3900万円と、前作やシリーズ最高興収を記録した前々作対比121%(動員数)の好発進。すっかり“夏休み映画”として定着した「しんちゃん」。その安定感は今年も健在のようだ。
ディズニーの同名アニメーションを実写映画化した『モアナと伝説の海』(公開中)は6位からのスタートに。強力な上位作品に押されて順位自体はまずまずだが、動員25万6644人、興収3億7000万円と数字面は堅調。動員では『リロ&スティッチ』(25)対比67%、『白雪姫』(25)対比196%、『ライオン・キング:ムファサ』(24)対比104%と、近年のディズニー実写化作品と遜色ない成績を収めている。

既存タイトルでは『トイ・ストーリー5』(公開中)が週末3日間で動員43万1000人、興収5億6200万円を記録し4位に。累計成績では動員691万人&興収97億6000万円を突破し、日本歴代興収ランキングでは一気に56位まで浮上。前作『トイ・ストーリー4』(19)まではあと3億3000万円、『トイ・ストーリー3』(10)まではあと10億4000万円。夏休み中にはシリーズ新記録を達成するはずだ。
公開3週目で5位となった『キングダム 魂の決戦』(公開中)は累計で動員277万人&興収43億円を突破。そして公開8週目を迎えた『Michael/マイケル』(公開中)は7位となり、累計で動員460万人&興収72億円を突破。あと5億円弱の興収を上乗せできれば、日本歴代興収ランキングのトップ100入りが叶う。

以下は、1~10位までのランキング(7月31日〜8月2日)。
1位『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』
2位『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』
3位『映画クレヨンしんちゃん 奇々怪々!オラの妖怪バケ~ション』
4位『トイ・ストーリー5』
5位『キングダム 魂の決戦』
6位『モアナと伝説の海』
7位『Michael/マイケル』
8位『パウ・パトロール ザ・ダイノ・ムービー』
9位『だぁれかさんとアソぼ?』
10位『仮面ライダーゼッツ&超宇宙刑事ギャバン インフィニティ Wヒーロー夏映画2026』
次週末は、イルミネーションの人気キャラクター“ミニオンズ”を主人公にしたシリーズ最新作『ミニオンズ&モンスターズ』(8月7日公開)、「週刊少年マガジン」で連載の同名サッカー漫画を高橋文哉主演で実写映画化した『ブルーロック』(8月7日公開)、大ヒットを記録した『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(23)の続編となる『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』(8月7日公開)などが控えている。
文/久保田 和馬
