それは芸能人の「終活」事情を垣間見る風景だった。
磯野貴理子が「徹子の部屋」(テレビ朝日系)で告白したのは、「洗濯機を持たない」「エンディングノートを書いている」という、驚きの事実である。
まずは洗濯機が壊れたことをきっかけに、
「もう1年半ぐらい、洗濯機なしでやってます」
ひとり暮らしの洗濯物はすべて手洗いにしているといい、絞るのが大変だという理由から、大きめのバスタオルを処分。代わりに小さなフェイスタオルで代用しているのだった。
いわゆる「ミニマリスト」的な生活に近づいているようだが、終活を始めたのは昨年。口座情報やお墓の希望などを記した「エンディングノート」を作成している。徹底した身辺整理といえそうな生活ぶりだが、芸能人の終活と規模はさまざまだ。
2024年に81歳で亡くなった中尾彬は大病を機に、妻・池波志乃と終活を開始。千葉のアトリエや沖縄のセカンドハウスの荷物を、業者に軽トラックで何往復もしてもらって処分し、著書「終活夫婦」にまとめるほど本気で取り組んでいた。
高橋英樹は「総重量33トン・総額1億円」コレクションを処分
中尾が「俺のマネをして断捨離を始めた」と名指ししたのが高橋英樹で、娘・真麻の「先もないんだから片付けなさい」のひと言で一念発起。4トントラック8台分、総重量33トン、総額1億円相当のコレクションを処分して「スッキリした」と豪快に語ったのは有名な話だ。しかもその後「バケツがない」とボヤいたというから、やり過ぎ感は否めないが…。
こうした大御所勢と比べると、磯野の場合はスケールこそ小さいものの、方向性はむしろ徹底している。家財を大量処分するのではなく、洗濯機やバスタオルといった生活必需品そのものを持たないという発想は、独身ならではの合理性の極みだろう。
財産や思い出を丁寧に整理する終活もあれば、そもそもモノを増やさない終活もある。磯野の告白は、終活のあり方に決まった正解などないことを、あらためて教えてくれた。
(田中皇治)

