シーズン中でも「空き週」ができる真夏はプロのスケジュールを確保しやすい。そのタイミングを見計らって、日本では真夏に開催される「プロアマ」が最近増えたが、異常気象ともいえる暑さのなかでのイベントははたして喜ばれているのだろうか?
プロの都合で夏に開催されるプロアマ
スケジュールの組みやすさを理由に、日本では真夏に各地で「プロアマ」が開催されるが、暑すぎやしないか⁉

●小山武明(こやま・たけあき)/1964年生まれ、東京都出身。プロゴルファー、ゴルフ解説者。テレビ「サンデーモーニング」(TBS)、ラジオ「Green Jacket」(InterFM897)ほか、多数メディアで活躍。
ハローエブリバディ!連日、夏日で猛暑日連発。ゴルフ場は閑古鳥でプレー費も安い。練習場も打席待ちなしで即練習できるというメリットもあるが、この異常気象によってせっかく陽の長い時季なのに、プロの試合は男女ともお休みの週ができる。その一方で日本では、この時季に多発するものがある。
それは「プロアマ」だ。プロとアマチュアが一緒にラウンドするイベントで、通常は試合前や試合後に行なわれているが、試合がなく、プロのスケジュールが確保できるこの時季にも、大小のプロアマが全国各地で開催される。このプロアマの前身となる試合は、歴史を遡ること約90年前の1937年、もっとも古いプロアマ「クロスビー・クラムベイク、ビング・クロスビー招待プロアマトーナメント」が誕生する。
米国の歌手、俳優、テレビ司会者でもあるビング・クロスビーが1930年代の大不況の米国で、試合数が激減する多くのツアープロの友人たちを救うため、ゴルフ好きの仲間を集めた。大会名でもある〝クラムベイク〞(Clambake)は、直訳すれば〝ハマグリ焼き〞。
「浜辺でハマグリでも焼いて集まろう」だが、スラングでも使われる場合は〝カジュアルな集まり〞なんて意味にもなるから、クロスビーの意図は、自身の大好きなゴルフを通じて、プロとアマチュアの垣根を越えても楽しめる試合の構想をもっていたに違いない。
そして1937年、カリフォルニア州ランチョ・サンタフェ・カントリークラブで開催され、プロには賞金総額3000ドル、アマチュアには豪華な賞品を用意した。その後、世界大戦後で中止になる年を経て、現在のぺブルビーチへ移転後、正式に「ビング・クロスビー・ナショナル・プロアマ」とトーナメント化し、1986年には「AT&Tぺブルビーチ・ナショナル・プロアマ」と、みなさんにもお馴染みのプロアマの試合へと発展していく。
クロスビーが主催するなら、といい出すのが人心。現在の「ジ・アメリカンエクスプレス」の最初の名称は「パームスプリングス・デザート・ゴルフ・クラシック」で「ボブ・ホープ・デザート・クラシック」と聞けば、1999年の勝者であるデビッド・デュバルが最終日に〝59〞をマークした試合でもあるから記憶している人も多いはず。
もちろん、この試合もツアー公式競技であり、プロアマ形式である。そうなると「日本でも!」ってことで、大橋巨泉プロアマ、平尾昌晃プロアマ、叙々苑プロアマ、セガサミーやリシャードミルもプロアマをはじめたが、その地域の1番いい季節に開催する米国と、ツアーが暇な時季に開催することが増えた日本のプロアマとは、プレーのしやすさが異なる。暑すぎる日本では心底楽しめているのか、タケは参加者の体調面も心配になる……。
いかがでしたか? 次回のコラムもお楽しみに!
イラスト=北沢夕芸

