ロサンゼルス・ドジャースが、トレード市場で最大の注目を集めていた左腕タリク・スクーバルを獲得した。大谷翔平、山本由伸らスター選手を擁し、巨額の資金力を背景に大型補強を続けるドジャースだけに、今回のトレードも「資金力の差」が生んだ結果と見る向きは少なくない。
しかし、米誌『Sports Illustrated』の名物記者トム・ベルドゥッチ氏は、単純にドジャースの豊富な資金力だけで説明するべきではないと主張している。
同記者が綴った記事の中で、「今回のトレードが成立したのは、ドジャースが持つ給与総額の優位性よりも、球団が築き上げた巨大な選手育成システムの賜物だ」と主張。ドジャースが長年にわたって積み上げてきた育成力と、豊富な有望株の存在こそが、今回の大型トレードを可能にした最大の要因だと分析した。
ドジャースはスクーバル獲得の対価として、右腕リバー・ライアン、外野手ザイヒア・ホープ、右腕ブレイディ・スミスをデトロイト・タイガースへ放出している。ベルドゥッチ記者はドジャースが放出した選手たちをどのように獲得し、育成してきたかを注視する。
ライアンはサンディエゴ・パドレスから11巡目で指名された投手で、トレードによってドジャースに加入した選手だ。ホープもシカゴ・カブスから11巡目で指名された後、マイケル・ブッシュを絡めたトレードでドジャースへ加わっており、スミスは2023年ドラフト3巡目、全体95位で指名された投手だった。
記事では、「ドジャースは、比較的小規模なトレードで獲得した2人の元11巡目指名選手と、2023年ドラフト95位指名の選手を、2度のア・リーグ・サイ・ヤング賞受賞投手へと変えた」と評価。さらに「ドラフト下位や他球団の組織から、ドジャースほど多くの才能を発掘する球団はない」と続け、下位指名選手や他球団で埋もれていた才能を見出して将来価値を高める球団の手腕を称賛した。
ドジャースは近年、大谷翔平、タイラー・グラスノー、山本由伸、ブレイク・スネル、佐々木朗希らを獲得し、圧倒的な資金力でスター選手を集めてきた。一方で、豊富な資金を使うだけでなく、ファーム組織を継続的に強化し、有望株を育成してきたことも球団の大きな強みとなっている。
もちろん、ドジャースの資金力が成功の一因であることは間違いなく、「資金はドジャースの成功から決して遠い存在ではない」と認めている。それでも、今回のスクーバル獲得については、「資金よりも有望株という資産によるトレードだった」と結論づけた。
構成●THE DIGEST編集部
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