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22歳従業員の命より「カネ優先」熊本イオンモール爆発で虚偽説明「雑貨店」の社長が学んだ「仁」なきハーバード経営学

22歳従業員の命より「カネ優先」熊本イオンモール爆発で虚偽説明「雑貨店」の社長が学んだ「仁」なきハーバード経営学

 熊本地震から1週間が過ぎ、イオンモール熊本(熊本県嘉島町)爆発事故の詳細が明らかになってきた。事故の犠牲者7人のうち2人が、イオンモールに入るテナントの雑貨店「ハビタ」(本社=熊本市)の従業員だった。
 そのうちのひとりで、8月3日に葬儀が営まれた大竹玖瑠美さんは、まだ22歳。イオンモール側の誘導で、いったんは安全な建物の外に避難し、イオンモールに買い物にきていた親族と再会を喜んだという。

 ところが同社営業部長から、休暇中だった店長を介して「売上金を金庫になおして(戻して)くれないか」という、人命よりカネ重視の指示によりイオンモールに戻った5分後、爆発事故に巻き込まれた。

「ハビタ」は当初、親族の証言があるにもかかわらず、遺族に対し、従業員2人が荷物を取りに戻ったという虚偽説明をしていた。8月3日の記者会見でようやく虚偽説明を認めたが、なおも「イオンモールの許可があれば戻ってもいいと指示した」と釈明。「そのような許可は出していない」というイオン側の説明と食い違っている。

「ハビタ」は九州を中心に展開する雑貨チェーンだが、ただの「雑貨店」ではない。会見に同席した上野景真社長には別の顔がある。熊本のほか福岡、横浜で「ガン免疫治療」「再生医療」を展開する同仁クリニックのほか、研究所や製薬会社、化粧品製造、試薬製造、ライフサイエンス事業まで手がける同族企業、株式会社同仁グループの代表取締役でもあるのだ。

 上野社長のプロフィール紹介(爆発事故後になぜか削除)によると、東京大学大学院学際情報学府を修了後、モルガン・スタンレーに入社。ボストンコンサルティンググループ、ハーバードビジネススクールで経営学修士(MBA)を取得した、華麗なる経歴の持ち主だ。
 2015年に家業である同仁グループに戻り、ケミカル同仁の代表取締役社長に就任。その後、2019年に同仁グループの代表取締役となり、グループ経営戦略を担当した。新規事業の立ち上げ、国内企業の買収を進めてきた。

グループ企業で製造した馬油やプラセンタを使ったオリジナルコスメを販売

 あまりに華麗な経歴に、熊本県出身のキャスター「ショーンK」を思い出したが、上野社長はハーバードビジネススクール公式サイトで、修了生として若くして亡くなった父親の代わりに家業を継ぐことになった経緯を語っている。

 グループ代表取締役に就任後は、能登半島地震後の2025年に化粧品や医薬品の委託受注製造メーカー・松川化学の買収のほか、再生医療ベンチャーのセルテクノロジー、藤本理化、シンコー理化、サンセイ科学などをM&Aでグループ傘下に置き、事業を拡大。雑貨店「ハビタ」では、これらグループ企業で製造した馬油や馬由来のプラセンタを使ったオリジナルコスメを販売している。

 同仁グループの再生医療や免疫療法は、国から安全性の承認がおりなければ治験が認められない。患者や投資家からの信用第一、とりわけ研究倫理と企業倫理が求められる分野だ。
 試薬や医薬品の製造販売により、グループ全体で推定数百億円の売上があるのに対し、女性従業員の命に替えても雑貨店の売上金回収という、微々たるカネを優先。さらに遺族に虚偽の説明をすることが、上野社長がハーバードビジネススクールとモルガン・スタンレー、ボストンコンサルテングで学んだ「経営哲学」なのだろうか。

(那須優子/医療ジャーナリスト)

配信元: アサ芸プラス

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