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頭が2つある「双頭ヤモリ」が誕生、生後1カ月も順調に

頭が2つある「双頭ヤモリ」が誕生、生後1カ月も順調に

Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部

頭が2つある生き物は、神話や空想の世界だけではありません。

2026年6月29日、米国ペンシルベニア州北東部にあるヤモリの繁殖施設「Rockstar Geckos」にて、2つの頭を持つ小さなクレステッドゲッコー(和名:オウカンミカドヤモリ)が孵化しました。

「サイモン&ガーファンクル」と名付けられたこの個体は、誕生から約1カ月が過ぎても、2つの頭でそれぞれ食事を取りながら順調に成長しています。

双頭の動物は野生では長く生きられない場合が多いとされていますが、サイモンとガーファンクルは、飼育者たちの慎重な世話を受けながら生存の難しさを乗り越えつつあります。

目次

  • それぞれの頭が自分で食べ、少しずつ動きも協調
  • なぜ「頭が2つ」になるのか?

それぞれの頭が自分で食べ、少しずつ動きも協調

サイモンとガーファンクルが孵化したとき、Rockstar Geckosの飼育者たちは大きな驚きを感じたといいます。

同施設では長年にわたり多数のヤモリを孵化させてきましたが、頭が2つある個体が生まれたのは、今回を含めてもわずか2回だけでした。

この個体は2匹のヤモリがくっついているのではなく、1つの体に2つの頭を持っています。

それぞれの頭に独立した脳があると考えられますが、体や手足は共有しているため、移動するときには2つの脳が同じ体を動かさなければなりません。

生後2週間の時点では、それぞれが別の方向へ進みたがっているような動きを見せることがありました。

それでも、歩き回ること自体は比較的上手にできていたといいます。

 

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生後4週間になるころには、2つの頭は以前よりも動きを合わせられるようになり、どちらか一方が明確に体を支配しているようには見えなかったと報告されています。

飼育者は、それぞれの頭に異なる行動傾向があるようにも感じており、左の頭はやや気難しい印象を与えることがあると話しています。

ただし、どちらの頭が優位なのかは、現時点でははっきりしていません。

体重は生後4週間でわずか1.8グラムでした。

成長したクレステッドゲッコーは体重35~45グラムほどになるため、現在のサイモンとガーファンクルは、まだ人間の指と比べなければ大きさを実感しにくいほど小さな個体です。

それでも2つの頭は、どちらも人の助けを借りずに食べ物を口にしています。

頭の位置の関係から互いにかみつくこともなく、今のところ大きな争いは起きていません。

飼育上の難しさとしては脱皮の手助けがあり、体が小さく壊れやすいため、古い皮が残っていないか慎重に確認する必要があります。

なぜ「頭が2つ」になるのか?

複数の頭を持つ状態は「多頭症」と呼ばれ、頭が2つの場合は双頭症とも呼ばれます。

発生途中の胚で、体の形成や分離が正常に完了しなかった場合に生じると考えられており、遺伝的要因や発生時の環境要因が関係する可能性があります。

ただし、同じ双頭症であっても、骨格、神経、消化器官、心臓などがどのようにつながっているかは個体ごとに異なります。

外見だけから、どの臓器を共有しているのかを判断することはできません。

双頭の動物が野生で生き残るのが難しい理由の1つは、2つの脳から異なる運動指令が出る可能性があることです。

一方が右へ進もうとし、もう一方が左へ進もうとすれば、動きが不安定になり、餌を捕まえたり捕食者から逃げたりすることが難しくなります。

また、内臓に形成異常があったり、1つの臓器に通常以上の負担がかかったりする場合もあります。

多頭症はヤモリだけでなく、ヘビ、カメ、魚、サメ、ネコ、ウシ、ブタなどでも記録されています。

しかし、誕生後も状態が安定し、成長の経過が継続的に報告される例は多くありません。

その意味でも、サイモンとガーファンクルが生後1カ月を迎え、2つの頭で食事を続けていることは注目すべき出来事です。

現時点で将来どこまで成長できるかは分かりません。

それでも、小さな2つの頭が少しずつ同じ体の動かし方を学んでいる姿は、生物の体が持つ驚くべき適応力を感じさせます。

サイモンとガーファンクルの成長は、双頭の動物が抱える困難だけでなく、2つの脳が1つの体でどのように折り合いをつけていくのかを知る、貴重な観察例になるかもしれません。

参考文献

Meet Simon And Garfunkel: Rare Two-Headed Gecko Doing Well At 1 Month Old, Even If “The Left Head Is A Bit More Grumpy”
https://www.iflscience.com/meet-simon-and-garfunkel-rare-two-headed-gecko-doing-well-at-1-month-old-even-if-the-left-head-is-a-bit-more-grumpy-84259

A tiny Pennsylvania hatchling has everyone doing a double take
https://www.cleveland.com/news/2026/07/a-tiny-pennsylvania-hatchling-has-everyone-doing-a-double-take.html

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部

配信元: ナゾロジー

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