現地時間8月3日(日本時た間4日)、NBAレジェンドのクリス・ボッシュのインタビュー記事が、米メディア『Hoops Hype』へ公開された。
2003年のドラフト1巡目4位でトロント・ラプターズから指名された211㎝・107㎏のビッグマンは、キャリア3年目から平均得点を20.0点台に乗せてオールスターの常連へ成長。切れ味鋭いドライブや左腕から放たれる高精度なジャンパーなどで得点を積み上げてきた。
2010-11シーズンからマイアミ・ヒートへ移籍し、ドラフト同期のレブロン・ジェームズ(現フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)、ドゥエイン・ウェイドと“スリーキングス”を形成。ラプターズ時代の1番手から3番手へ役割が変わる中、献身的なプレーで2012、13年の2連覇へ貢献した。
NBAキャリア13年で、ボッシュはレギュラーシーズン通算893試合へ出場し、平均19.2点、8.5リバウンド、2.0アシスト、1.0ブロックをマーク。背番号1はヒートの永久欠番で、2021年にはバスケットボール殿堂入りも果たした。
ただ、ボッシュが最後にNBAのコートへ立ったのは2016年2月のこと。当時まだ31歳だったが、2015年2月に脚にできた血栓が肺へ移動したため、数日間の入院を強いられる。
退院後、2015-16シーズンは53試合に出場も、2度目の血栓症が発覚。その後ハードなトレーニングを積んで復帰を目指してきたが、コートへ戻ることができずに現役引退を余儀なくされていた。
現在42歳のボッシュは、自身が10年前に経験したことを引き合いに出し、一昨季に右肩の深部静脈血栓症と診断されたヴィクター・ウェンバンヤマ(サンアントニオ・スパーズ)へ警鐘を鳴らしていた。
「薬をきちんと服用すること。もう一度起きてしまったら、それでおしまいになりかねない。私は2度目の発症があり、それによってプレーを続けられなくなったんだ」
ウェンバンヤマは、血栓症のため一昨季のオールスターブレイク後を全休。通常、血液をサラサラにする薬で治療されるとはいえ、その服用中はバスケットボールのようなコンタクトスポーツの活動が認められないことが一般的だ。その後、2025年7月にバスケットボールへ復帰できる許可が下りて、見事復活を遂げていた。
一昨季は46試合の出場にとどまったが、昨季は64試合プレー。平均25.0点、11.5リバウンド、3.1アシスト、3.1ブロックを叩き出し、文句なしで最優秀守備選手賞に輝くと、MVP投票で3位に入り、オールNBA1stチームとオールディフェンシブ1stチームに選出された。
チームはウエスタン・カンファレンス2位の好成績を残し、NBAファイナルへ進出。ニューヨーク・ニックスに1勝4敗で敗れたとはいえ、ウェンバンヤマ率いるスパーズは大躍進と言えるシーズンを送った。
昨季ファイナルで敗れたリベンジを果たすべく、ウェンバンヤマは4年目の来季にスパーズへ通算6度目のチャンピオンシップをもたらすべく、オフも精力的なトレーニングを積んでいる。
ただ、ボッシュはウェンバンヤマに対し、いま健康なことや早期復帰できたことを当たり前だと思わないよう警告。ボッシュは、今年に入って命へ関わるような血栓症の緊急事態に見舞われたばかりだったという。
「そう、今年1月に事件があった。あやうく死ぬところだったけど、なんとか持ち直したんだ。冗談じゃなく、本当にね。また肺塞栓症を起こしてしまった。それで1週間ほど入院していた。
だから毎日薬を飲んで、体調管理をしっかりして様子を見ている。今のところ、症状は出ていない。(血栓症は)一生付き合っていかなきゃいけない病気なんだ。もう治ったと思っていたけど、そうじゃなかった。だから、治療のスケジュールをしっかり守っていくことが大事なんだ」
ウェンバンヤマはリーグ屈指の人気選手であり、毎試合で相手チームから厳しいマークを受けている。スパーズは彼のコンディションに対して細心の注意を払い、本人も当たり負けしないように肉体を強化している。
それでも、ボッシュのようなプロのアスリートでも血栓症が再発するだけに、この言葉がウェンバンヤマへ届いていることを願うばかりだ。
文●秋山裕之(フリーライター)
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