菊地亜美がこの夏から、マレーシアと日本を行き来する「二拠点生活」をスタートさせると発表した。子育て環境や教育面などを考慮した決断とみられるが、そういえば実業家でタレントの「くみっきー」こと舟山久美子も同様に、家族でシンガポールへの移住を表明している。
そしてこの手のニュースが流れるたびに決まって出てくるのが「税金はどうなるのか」という疑問だ。
海外に住めば日本の税金は払わなくて済むのか。あるいは日本へ帰国した際に、海外で暮らしていた期間の税金をまとめて徴収されるのか。そんな素朴な疑問を抱
く人は少なくないだろう。
このテーマで思い出されるのが、2021年から家族でシンガポールへ移住し、今年7月に約5年ぶりの帰国を報告したオリエンタルラジオ・中田敦彦だ。移住当時から「節税目的ではないか」との観測がが、本人は一貫して子供の教育や生活環境などを
理由に挙げてきた。
海外に住んでいる間の収入は日本で課税されるのか、それとも完全に切り離されるのか。実際のところ、日本の税制は「海外に住んだから税金ゼロ」「住民票を抜けば終わり」というほど単純ではない。税務上は住民票の有無だけでなく、「生活の本
拠」がどこにあるかが重視される。海外に生活基盤を移し、日本では非居住者として認められれば、日本へ帰国した後に海外滞在中の所得を一括して課税されるケースは、基本的にはないのだ。
YouTube上で設定する「国」はあくまで配信やサービス上の区分にすぎない
ただし、税務当局が「実態は日本が生活の本拠だった」と判断すれば話は別だ。日本での滞在日数や仕事の実態、家族がどこで暮らしていたかなどを総合的に見て、日本の居住者だったと認定されれば、過去に遡って課税される可能性が出てくる。あるいは海外居住中でも、日本国内で発生した所得については、日本で課税対象となるケースがある。
つまり、芸能人やYouTuberのように海外へ拠点を移しつつ、日本でも仕事を続けるケースは、一般の会社員よりも税務上の判断が複雑になりやすいことになる。帰国後のYouTube収益についても、YouTube上で設定する「国」はあくまで配信やサービス上の区分にすぎず、実際の課税は居住国の税法に従って判断される。そのため、どの国に住民税、所得税の納税義務があるかがポイントとなる。
菊地の場合は「二拠点生活」としており、日本での芸能活動も継続する方針を明らかにしている。今後も海外移住や二拠点生活を選ぶ著名人は増えそうだが、そのたびに「税金はいったい…」という疑問が話題になるのは、しばらく続きそうである。
(カワノアユミ)

