現在開催中の男子テニスツアー公式戦「ナショナルバンク・オープン」(8月2日~13日/カナダ・モントリオール/ハードコート/ATP1000)に出場している元世界ランキング3位のステファノス・チチパス(ギリシャ/現53位)が、大会期間中のインタビューで幼少期からのコーチであった父親アポストロス氏との決別や、新たなチーム体制について率直に語っている。
現在27歳のチチパスは昨年6月にノバク・ジョコビッチ(セルビア/同5位)の元コーチであるゴラン・イバニセビッチ氏(クロアチア/54歳)を招聘したものの、わずか1カ月半で契約を解消。その後は2024年に一度離別したアポストロス氏をチームに戻し、再び親子でツアーを戦っていたが、今年6月末に再度袂を分かった。
その直後には、名将パトリック・ムラトグル氏(フランス/56歳)のアカデミーでパフォーマンスコーチを務めるトマ・ペラン氏(フランス/34歳)がチームに新加入。それからわずか3週間で臨んだ「EFGスイス・オープン・グシュタード」(スイス・グシュタード/クレーコート/ATP250)を制し、昨年2月の「ドバイ選手権」(ハード/ATP500)以来となるツアー優勝を飾るとともに、「ウインブルドン」(芝コート/四大大会)後に80位台まで落としていた世界ランキングも50位台へと大きく回復させた。
今大会はエントリー前のランキングの関係で本戦ダイレクトインはならなかったものの予選を突破。現地4日の本戦1回戦でも同じ予選勝者のマルティン・ダム(アメリカ/同100位)を6-4、6-4で退け、2回戦進出を決めた。
試合後、チチパスは海外メディア『UBITENNIS』のインタビューに応じ、過去への後悔をにじませながら、現在のチーム体制について次のように言及した。
「今は本来ならずっと前に始めているべきだったキャリアの章を歩んでいる。長い間、自分には様々な部分で甘さがあった。そのせいで、この変化を起こすまでに時間がかかりすぎた」
彼がそう語るのも無理はない。事実、幼い頃から指導を受けてきた父親とは衝突続きだった。そうした経験から、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/現2位)やベン・シェルトン(アメリカ/同10位)親子のような良好な関係に憧れを抱いていた。
特にシェルトン親子については、「トップレベルで戦う息子に対する父親の接し方として完璧な手本だ」と絶賛。「彼らを見ていると、『自分もあんな関係を築けていたら良かったのに』と思うことがある」と羨望の念ものぞかせた。
一方で現在のチーム体制には概ね満足している様子だ。「物事にはタイミングというものがある」とし、「一緒にいて幸せだと思えるコーチと仕事がしたい。今は自分が望むやり方で競技に取り組めている」と充実感を吐露。またペラン氏をはじめとするムラトグル・アカデミーのスタッフについても、「自分の成功を心から願ってくれている」と厚い信頼を寄せた。
新体制で復活の兆しを見せつつあるチチパス。その歩みは着実に前へ進んでいる。
文●中村光佑
【動画】チチパスがダムを破って好スタートを切った「ナショナルバンクOP」1回戦ハイライト
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