今夏、日本代表FW前田大然の加入によって日本でも大きな注目を集めているイングランド・プレミアリーグのイプスウィッチ・タウンが、さらなる日本代表戦士の獲得を検討していると報じられた。
ターゲットとして浮上したのは、フェイエノールトで昨季、エールディビジ得点王に輝いたFW上田綺世だ。イプスウィッチのクラブ専門サイト『TWTD』は、「フェイエノールトの日本代表ストライカーに関心を示している」と報道。プレミアリーグに昇格したサフォーク州のクラブは、新シーズンに向けて経験豊富なCFの補強を目指しており、日本代表43試合18得点という実績を持つ上田は、その条件に合致する存在だと紹介されている。
記事では、上田のこれまでのキャリアについても詳しく触れられ、「鹿島アントラーズ、サークル・ブルージュを経て、2023年夏に約800万ユーロ(約14億6000万円)でフェイエノールトへ加入。これまでエールディビジ78試合で37得点を記録し、昨季は31試合25ゴールでリーグ得点王に輝いた」とその実績を高く評価した。
また、今夏の北中米ワールドカップにも言及し、「日本代表として全4試合に先発出場し、4-0で大勝したチュニジア戦では2ゴールを記録。その試合では、彼の後方で前田がプレーしていた」と紹介し、仮に同じチームに所属した場合、両選手の連係に問題はないことを強調している。
その一方で同メディアは、今後の動向について「上田とフェイエノールトとの契約はあと2年残っている。そして、移籍市場の閉幕まではまだ約1か月ある。イプスウィッチが本格的に関心を具体化させるかどうかは、今後を見守る必要がある」と慎重な見方も示した。
それには、イプスウィッチ側の事情もあるとして、「今夏、すでにブラジル人FWエメルソンを獲得している他、昨季レンタル加入していたアヤックスのチュバ・アクポムも完全移籍へ移行。一方でジョージ・ハーストにはストーク・シティなどが関心を示しており、退団の可能性もある」とストライカー陣の状況を紹介。また、「ストラスブールとは、フリオ・エンシソの再獲得に向けた交渉も続いている」と伝え、補強の優先順位が今後の選手の出入りによって変わる可能性があるとしている。
オランダ・ロッテルダムの日刊紙『Algemeen Dagblad』も、同様にイプスウィッチの上田への関心を報じながら、現段階では具体的な進展はないことを強調。「今夏、フェイエノールトはアニス・ハジ・ムサと上田に対する正式オファーをまだ一件も受け取っていない」と報じ、多くの移籍報道とは裏腹に、実際の交渉には発展していない現状を伝えた。
記事によれば、上田については「フェイエノールトでの活躍と日本代表でのプレーによって、プレミアリーグやブンデスリーガのクラブとの関連が取り沙汰され、最近になってイプスウィッチとブライトンの名前が具体的に浮上した」と報じたが、「両クラブは新たなストライカー候補として上田をリストアップしているとされる。しかし、フェイエノールトとイプスウィッチ、あるいはブライトンとの間で交渉は行なわれておらず、クラブは日本人FWに関する正式オファーをまだ受け取っていない」と続けている。
昨季のリーグ得点王という輝かしい肩書を得たにもかかわらず、具体的な獲得競争へ発展しないのは意外であり、疑問でもあるが、これについてフェイエノールトのクラブ専門サイト『FR-FANS.NL』は、その原因を独自に分析した。
「25得点を挙げて昨季のエールディビジ得点王となり、W杯でもゴールを決めたにもかかわらず、現時点で具体的な関心を示しているクラブはイプスウィッチ程度に止まっている」背景として、同メディアは「単純な得点数だけでは測れない、ストライカーのタイプ」があると指摘する。
「(エールディビジの過去の得点王である)ヴァンゲリス・パヴリディスやアナスタシオス・ドゥヴィカス、ギオルゴス・ギアクマキス、(上田の前にフェイエノールトでストライカーだった)サンティアゴ・ヒメネスらは、得点だけでなく、スピードや技術、個人突破などで海外クラブの目を引いた。一方、上田の最大の武器は『ゴールを決めること』であり、派手なドリブルや個人技で注目を集めるタイプではなく、味方からの供給を受けて仕留めるフィニッシャーだ」
さらに「年齢」も一因になり得るとして、「現在28歳という年齢は、多額の移籍金を投じる欧州のトップクラブにとっては、若手より魅力が薄れる要素になり得る。高額投資をするクラブは、将来的な成長や売却益まで見据えて、若いストライカーを優先するケースが多い」との見解を示している。
加えて、昨季がフェイエノールトで初めて本格的に結果を残したシーズンだった点も評価を慎重にさせていると分析。「昨季は素晴らしいシーズンだったが、それ以前は、定位置確保にも苦労した。各クラブは、昨季の活躍が継続的な実力なのか、それとも突出した1シーズンだったのかを慎重に見極めようとしているのだろう」。
とはいえ、最後は「上田は優れたポジショニングやペナルティーエリア内での動き、ヘディング能力に秀でたフィニッシャーであり、その能力は国際舞台でも証明された。イプスウィッチはすでに関心を示しており、今後数週間で経験豊富な点取り屋を必要とするクラブが増えれば、市場は一気に動き出す可能性もある」とのポジティブな観測で記事は締められている。
構成●THE DIGEST編集部
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