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「ゆっくり食べなさい」は大切だった、20代の早食いは将来の肥満と関連

「ゆっくり食べなさい」は大切だった、20代の早食いは将来の肥満と関連

20代の早食いは後の肥満と関連していた / Credit:Canva

子どものころ、「もっとゆっくり食べなさい」と注意された経験はないでしょうか。

食事スピードはその場限りの癖に見えますが、実は若いころから長く続き、その後の体重とも関係している可能性があります。

藤田医科大学の研究チームが、日本人約56万人の健診データを解析したところ、20代の早食いは長期的な肥満、遅食いは長期的な低体重と関連していました。

この研究成果は2026年7月24日付で、国際学術誌『Nutrients』に掲載されました。

目次

  • 20代の「食事スピード」と「将来の体重」の関連を分析
  • 早食いは肥満側、遅食いは低体重側と結びついた

20代の「食事スピード」と「将来の体重」の関連を分析

肥満と低体重は、食事、運動、遺伝、病気などが複雑に関わって生じます。

ところが、食べる速さを扱ったこれまでの研究は、早食いと肥満の関係に注目したものが多く、低体重との関係は十分に分かっていませんでした。

また、健診で測った一時点のBMIだけでは、ずっと同じ体重だった人と、低体重や肥満から普通体重に移った人を区別できません。

そこで研究チームは、体重を一枚の写真ではなく、長い時間の中で変化する「履歴」として捉えました。

研究では、JMDCが保有する2005~2025年の健診データから、少なくとも5回の記録がある56万4198人を解析しました。

最初の健診時の平均年齢は約24歳で、観察期間はおおむね6~7年でした。

対象者は、20代に一度でもBMIが18.5未満だった低体重歴群、20代を通して普通体重だった群、一度でもBMIが25以上だった肥満歴群に分類されました。

さらに、全健診記録のうち低体重または肥満だった割合を0~25%、25~50%、50~75%、75~100%に分け、その状態の続きやすさを評価。

食べる速さは、20代最初の健診で本人が答えた「速い」「普通」「遅い」の3区分を使用しています。

こうした分析の結果、全体として、肥満の記録が多い群ほど早食いが多く、低体重の記録が多い群ほど遅食いが多い傾向が確認されました。

年齢、睡眠、運動習慣、身体活動、歩く速さなどの違いを統計的に考慮し、朝食欠食と就寝前の夕食が重なる不規則な食事時間を加えて分析しても、結果はほとんど変わりませんでした。

より詳しい結果を次項で見ていきます。

早食いは肥満側、遅食いは低体重側と結びついた

20代を通して普通体重だった人を基準にすると、健診記録の75~100%が肥満だった群で早食いと答えるオッズは、女性で1.47倍、男性で2.40倍でした。

反対に、健診記録の75~100%が低体重だった群で遅食いと答えるオッズは、女性で1.89倍、男性で2.45倍でした。

これは、肥満が長く続く側では早食い、低体重が長く続く側では遅食いとの結びつきが強かったことを示します。

女性の早食いでは途中の区分にわずかな上下があったものの、全体として肥満の記録が多い群ほど関連が強く、低体重側の遅食いでは男女とも段階的な上昇が見られました。

また、食事スピードの自己認識も比較的長く続いていました。

肥満が最も持続した群では、20代に早食いと答えた人がその後も同じ回答をした割合は、女性72.3%、男性79.9%でした。

低体重が最も持続した群で遅食いを維持した割合は、女性72.8%、男性68.2%でした。

さらに、低体重や肥満が長く続いた群ほど、その後も同じ方向のBMIを保つ傾向が見られています。

では、なぜ早食いと遅食いは、後の肥満と低体重にそれぞれ関連しているのでしょうか。

早食いでは、満腹感が十分に生じる前に食事が進み、摂取量が増えやすくなる可能性があります。

反対に、遅食いでは食事の途中で満腹感が強まり、十分なエネルギーを取る前に食事を終えやすくなる可能性があります。

ただし、今回の研究では摂取量や満腹感に関わるホルモンを測っていないため、これらは結果を説明する仮説です。

さらに、食べる速さは自己申告であり、観察研究であるため、早食いが肥満を、遅食いが低体重を引き起こしたとは断定できません。

観察期間が比較的短く、健康保険加入者のデータが日本人全体を代表するとは限らない点にも注意が必要です。

それでも、20代の食事ペースが長く続き、将来の体重履歴と結びつく可能性を示した点は重要です。

今回の結果が教えているのは、自分の食事スピードと体重の変化を一緒に考える大切さなのです。

そして若いころに適切な食事スピードを身につけておくことは、将来、適切な体型を維持するのに役立つかもしれません。

参考文献

20代で早食いの人はその後の肥満、 20代で遅食いの人はその後の低体重と関係
https://www.fujita-hu.ac.jp/news/vsfo8q000001yj92.html

元論文

Self-Reported Eating Speed Is Dose-Dependently and Bidirectionally Associated with Long-Term Underweight- and Obesity-Related Weight-History Groups
https://doi.org/10.3390/nu18152412

ライター

矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。

編集者

ナゾロジー 編集部

配信元: ナゾロジー

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