命が助かり、避難所へたどり着いても安心とは限らない。猛暑が続く熊本では、避難先となる体育館の多くに冷房がないという。さらに、日本の避難生活には暑さ以外にも深刻な問題が残されていた。
【TVer】地震大国なのに避難所整備が進まない理由…専門家が指摘した“自治体任せ”の限界
地震発生後、熊本県内では最高気温35度以上の猛暑日が続いている。しかし、避難所として使用される県内の公立小中学校体育館などで、空調が設置されている割合はわずか20.4%。約8割に冷房がないことになる。
政治ジャーナリストの青山和弘氏によると、これは熊本県だけの問題ではない。全国でも冷房が設置されている体育館は3割程度にとどまり、真夏に災害が起きれば、避難者は厳しい暑さの中で生活を送ることになるという。
さらに、日本の避難所では、トイレ、キッチン、ベッドを指す「TKB」の不足も深刻だ。トイレの数が足りないほか、雑魚寝によってプライバシーを確保できないなど、世界的な水準にも達しておらず、青山氏は「人権侵害だと言われるぐらい」劣悪だと説明した。
背景には、これまでの防災対策が、災害から命を守ることにばかり重点を置いていたという事情がある。助かった人が避難所で長期間生活するための環境には、十分な力が注がれてこなかったという。
1日や2日であれば耐えられても、避難生活が1週間以上続けば、暑さやトイレ、入浴、プライバシーの問題は避難者の健康にも直結する。避難所ではペットと一緒に過ごせない場合もあり、車中泊を選んだとしても、ガソリンの確保など別の問題が生じる。
これまで避難所の準備は各自治体に委ねられ、予算や防災への意識によって地域差が生じてきた。青山氏は、国が防災対策を一括して進める体制へ移ることで、今後は環境の改善が期待されると説明した。
災害から命を守るだけでなく、その後も安心して生活できる環境を整えられるか。猛暑の体育館で長期間過ごす人を生まないためにも、避難者の健康や尊厳まで見据えた対策が求められている。
なお、青山氏が猛暑下の避難生活や日本の避難所環境について解説した模様は、8月1日に生放送された情報バラエティ番組『教えて!ニュースライブ 正義のミカタ』(ABCテレビ)で紹介された。

