
日本発のスター・ウォーズ長編アニメシリーズ「スター・ウォーズ:ビジョンズ/九人目のジェダイ」が、8月5日より動画配信サービス・ディズニープラスで日米同時に全話一挙独占配信スタート。本作で登場する強敵・ナワームが創り上げられた軌跡を、総監督の神山健治氏が明かした。
■日本発の「ビジョンズ」初長編シリーズはVolume1、Volume3に続く続編
本作は、「スター・ウォーズ」の物語を、世界を牽引するアニメスタジオがクリエイター独自の“ビジョン”で描き出すルーカスフィルムの一大プロジェクト「スター・ウォーズ:ビジョンズ」の初の長編シリーズ化。
「ビジョンズ」シリーズVolume1に登場した「九人目のジェダイ」(監督:神山)、Volume3でその続編として登場した「The Ninth Jedi:Child of Hope」(監督:塩谷直義)に続く本作は、神山氏が総監督を務め、日本のアニメーション業界の第一線を走り続けるProduction I.Gが手掛ける。
■神山健治監督、ナワームを創り上げるためにダース・ベイダーを再解釈
本作で主人公の少女カーラの前に立ちはだかる最大の敵がダース・ベイダーを彷彿とさせる黒いマスク姿のナワームだ。そんなナワームを作り上げた神山氏は「スター・ウォーズ/新たなる希望(エピソード4)」を見て映像制作を志したほど、SWから多大な影響を受けた人物だ。
本作の舞台は、ジェダイもシスもいなくなってしまった戦乱の銀河。主人公のカーラ(声:赤崎千夏)は、ライトセーバーを作るセーバースミスである父・ジーマがさらわれてしまったことで、ジェダイ騎士団の復活を願う仲間と共にジーマを救い出すべく冒険へと立ち向かっていく。
そんなカーラの行く手を阻むのが、強敵・ナワーム(声:大森南朋)だ。神山総監督はナワームを創り上げる中で、「ダース・ベイダーはジェダイの規範に反発して闇落ちしてしまったと思うんですけど、(ナワームを描くうえでは)ダース・ベイダーを僕なりに解釈し直したかったんです」と語り、ダース・ベイダーの再解釈を試みたという。
■ナワームは、戦国武将同様「世界は統一されて幸せになるはずだと思っている」
その考えのベースには日本の“戦国武将”や“侍”を念頭に置いていたという。もともとジョージ・ルーカス氏が生み出した「スター・ウォーズ」シリーズでも日本文化の影響は数多く見られ、黒澤明監督作品や日本神話、伝統などから多くのインスピレーションを受けている。中でもダース・ベイダーのマスクは戦国武将の兜を参考にしたことで知られているが、本作のナワームも同様に兜を思わせるマスクを身に着けている。
そんなナワームと戦国武将の関係について神山氏は「戦国時代の武将たちは自分が権力を握るとかお金持ちになるというのが目的ではなく、戦争の中で犠牲は確かに出ているけれど最終的に天下を統一したら民も幸せになるんだと思って戦っています。ナワームも同様で自分が将軍になったら世界は統一されて幸せになるはずだと思っているんです」と語った。
■ナワームが持つカリスマ性や戦いの先には、秩序の保たれた世界
さらに神山氏は侍についても独自の捉え方を持ち、本作の世界観を描くうえでその思想を取り入れている。「僕がこの作品で思い描いた“侍像”は、西洋的な考え方である貴族に仕えるナイトではなく、鎌倉武士のように実力を高めて勝ち上がり最終的にはその地を統治する組織のトップになるような姿でした」と語り、ナワームが持つカリスマ性や戦いの先に秩序の保たれた世界を見据えていることを示唆した。
そんなナワームは本作でジェダイの象徴でもある“青いライトセーバー”を振っている姿が描かれ、ファンの間で早くも話題にあがっている。謎に包まれたナワームは、ダース・ベイダーやダース・モールなどこれまでの「スター・ウォーズ」の悪役とは一味違う。日本の武士道精神も宿らせる新たな悪役ナワームに期待が高まる。
※「赤崎千夏」の「崎」は正式には「たつさき」

