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保冷剤を当てて寝落ちした女性、皮膚が壊死する事態に 大手メーカーは「用途外の使用法」と注意

保冷剤を当てて寝落ちした女性、皮膚が壊死する事態に 大手メーカーは「用途外の使用法」と注意

保冷剤を持って眠る女性写真は記事内容を表現したイメージです。画像生成AI[Gemini]を利用して作成しました。

「過ぎたるはなお、及ばざるがごとし」という言葉もあるように、何事もやり過ぎは良くないもの。熱中症対策には体を冷やすのが有効だが、こちらも当然、例外ではない。

現在X上では、保冷剤の誤った使用による「とんでもない事故」に、驚きの声が上がっているのだ。

■保冷剤で涼んでいたら「皮膚が壊死」

ことの発端は7月27日、医療関係者のXユーザー・Dr.カブさんが投稿したポストである。

保冷剤の写真が添えられたポストには「熱中症を何とかしようとして、保冷剤で直接大腿部を冷却してて水疱形成しちゃった方がいます。直接皮膚に当てないでください! 『食べられません』も大事だけど、『皮膚に直接当てないでください』も表記したらいいかも!」と、注意喚起が綴られていた。

こちらのポストを受け、Xユーザーからは驚きや共感の声が多数寄せられる事態に。そして、ある1人のユーザーの体験談に注目が集まった。

その内容は「わたしこれで入院デブリ植皮しました。III度です、全層植皮です。素人ですが、経験者として訂正させてください。『直接』じゃなくてもそうなります。布越しに当てていました」というものである。

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■「寝落ちは普通にあり得る」

続くポストでは「エアコンのリモコンが見当たらなくて、急場しのぎで当てて、そのまま寝落ちしたら壊死しました」といった補足のほか、人体用ではない保冷剤を使用していたことなどが明かされている。

当該のポストは元ポスト以上の注目を集め、Xユーザーからは「ずっと同じ場所に当て続けると、そうなるのか」「寝落ちとか普通にあり得るし、怖いな…」「布で包めば安心かと思ってた」「怖すぎるだろ」など、驚きの声が多数寄せられた。

なお、こうした事例には東京都も注意を呼びかけており、消費生活に関わる東京都の情報サイト「東京くらしWEB」でも、「タオルを巻くなど、保冷剤が地肌に直接触れないようにしましょう」「保冷剤を長時間、同じ場所に当てないようにしましょう」と呼びかけている。

今回の投稿で使用された保冷剤のメーカー名は確認できない。しかし、保冷剤全般に共通する「正しい」および「誤った」使用法は存在するはず。

そこで今回は、保冷剤の使用法を正しく理解すべく、某保冷剤メーカーに話を聞いてみることに。

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■「メーカーの意図していない使用法」の恐れが…

メーカーの担当者は、保冷剤の種類について「ほとんどの人が思い浮かべる一般的な保冷剤は『食品用・テイクアウト用』になり、どこの家の家庭の冷凍庫にも、必ず1つは入っていると思います。最も流通量が多い保冷剤がこれに該当します」と、説明する。

こうした保冷剤を再利用している人々も少なくないと思うが、担当者は「じつはこの保冷剤は、本来の役目を既に終えています」と、断言。

メーカー側の考えとして、「こうした保冷剤はワンウェイ、つまり1回限りの使用ということで製造しているので、再利用(使い回し)を想定していません。メーカーとしては、食品業者等に新品を提供して終了です。一般消費者の手に渡ったものを回収して販売(再利用)することはまずありません。再利用(使い回し)はあくまで個人としての使用方法です」と、説明していた。

つまり「人体に当てて使用する」という使用法に限らず、「保冷剤の再利用」自体がメーカーの意図していない事態であり、責任を負える領域ではないのだ。

もちろん、ある程度の期間であれば弁当袋に入れての再利用も機能することと思うが、保冷剤の内容物であるジェルや外装フィルムの劣化は避けられないため、ずっと使えるワケではない。

何にせよ、こうした保冷剤の再利用は「個人の責任」の元で行う必要があるのだ。

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■保冷剤を人体に当て続けるとどうなる?

そんな保冷剤の成分は、約99%が水。そこに増粘剤や防腐剤を入れ、製造されるという。

冷却の仕組みについて、メーカー担当者は「中に含まれる水(または特殊な冷却剤)が冷気を蓄えることで冷える仕組みです。内容物はジェル状が多いと思いますが、対流の抑制や保水性や形状の維持、密着性等の観点でそうなっています。一般的な食品用の保冷剤は表面温度が0℃になります」と、説明している。

このように、保冷剤は人体に直接当て続けるには、非常に危険な温度を保持しているのだ。

低温の保冷剤を人体に長時間当て続けた場合の危険性については、「起こり得るのが、皮膚への障害です。一般的に凍傷と言われる症状になる可能性が高いです。その他、痛みやしびれ、血流の低下を招く場合もあると考えられています」と、分析していた。

こうした事情を踏まえ、担当者は「体に当てて使用する場合には、人体用の保冷剤を使用することが原則です。保冷剤には、食品用以外にも医療用、美容用、ワーク用、赤ちゃん用、生活雑貨関連商品等、多岐に渡る保冷剤があり、それぞれの用途や注意書きに沿って使って頂くことが重要です。それぞれ内容物が違ったり、外装フィルムが違ったりしています」と、説明している。

また、人体用の保冷剤に関しても「人体用とは言え、保冷剤をフィルムのまま使用できるものとは限りませんので、ネッククーラーのように保冷剤を布製のカバーに巻いて使う等、使い方も色々あります。人間だけでなく、ペット用や家畜用、競争馬用等動物にも使える保冷剤もあり、これらは繰返しの使用を想定していますので、ワンウェイではありませんが、経年劣化は起こります。経年劣化で、内容物のジェルに気泡ができたり、粘度がなくなったり、内容物がフィルムを通して気化する等の現象は起こります。経年劣化したものを使い続けると、人体に予期せぬ悪影響を及ぼすことが想定されますので、あくまで用途やそれぞれの製品の注意書きに応じての使用が重要です」と、注意を喚起していた。

さて、保冷剤の危険な部分ばかりクローズアップしてしまったが、ハサミに代表されるように、道具と言うのは用法を誤らなければ、危険どころか非常に便利な存在。それはもちろん、保冷剤も例外ではない。安全に使いこなせるよう、改めて注意してほしい。

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■執筆者プロフィール

秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。

X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。道路・鉄道ネタに関する取材で、国土交通省や都道府県警、全国の道路事務所、鉄道会社に太いパイプを持つ。

(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ
配信元: Sirabee

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