メジャーリーグのトレード期限が過ぎ、全球団の後半戦の戦い方が見えてきた。
「地区優勝を狙っているチーム、優勝争いから完全に脱落してしまったチームは、トレードの方針がハッキリしています。前者は弱点を補い、後者は主力選手を放出して有望な若手をもらって来年以降に備える。でも勝率5割ラインでウロウロしているチームは分かりません。頑張ってポストシーズンマッチ進出を狙うのか、それとも来年以降に向けてチームを建て直すのか」(MLBジャーナリスト)
その中途半端な5割ラインにいたのが、ダルビッシュ有、松井裕樹のいるパドレスだ。
パドレスはトレード期日の時点で54勝58敗。今季のポストシーズンマッチ進出に懸けるのかどうか迷うところではあるが、チーム編成のトップであるA.J.プレラーGMが選択したのは「結論の先延ばし」だった。
チームの補強ポイントは、先発投手と左打ちの外野手。先発投手については「補強」というよりも頭数が足りない状況で、
「今季のポストシーズン進出を諦めるにしても、人員を補充しなければ投手陣がパンクしてしまう」(メジャー関係者)
と言われるほどだ。
プレラーGMはケーシー・マイズと2021年サイ・ヤング賞のロビー・レイを獲得した。トレード市場においてトップクラスとされていた先発投手だが、両投手とも今季が複数年契約の最終年であり、彼らと来年以降の契約を結ぶのかどうかは決まっていない。つまり、先発投手不足の問題は完全に解決されていないのだ。
「パドレスが真っ先に手を挙げる」との声が出始めた
「ダルビッシュはケガで今季全休。来季、開幕からフル回転してくれるのであれば、年俸の高い両投手を無理に引き止めることはしないでしょう」(前出・MLBジャーナリスト)
「左打ちの外野手」の補強は、来季以降に先送りされた。ナ・リーグ東地区の事情を見れば、パドレスはドジャースを追うライバル球団と目されている。そのドジャースが日本企業とのパートナーシップで潤っているとなれば、「パドレスも手をこまねいているわけにはいかなくなる」というのが現地の見方だ。今回、パドレスがあえて左打ちの外野手を獲得しなかったことで、
「今オフ、阪神の佐藤輝明がポスティングシステムでメジャー挑戦してくるのであれば、パドレスが真っ先に手を挙げるのではないか」
との声が出始めたそうだ。
来季はダルビッシュとサトテル次第、ということか。トレード締め切りの先に、日本人選手の動向が見え隠れしている。
(飯山満/スポーツライター)

