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「移籍市場の勝者」は本当に勝者なのか? ESPNが過去10年を検証した“衝撃の結論”「大型補強で強くなるとは限らない」

「移籍市場の勝者」は本当に勝者なのか? ESPNが過去10年を検証した“衝撃の結論”「大型補強で強くなるとは限らない」

欧州各国で新シーズンの開幕が近づく中、各クラブは積極的な補強を進めているが、スター選手の獲得を巡って巨額の資金が動き、クラブ史上最高額やリーグ記録を更新するような大型移籍も珍しくない。

 華やかな新戦力を次々と迎え入れたクラブは、しばしばメディアやサポーターから「夏の移籍市場の勝者」と称される。しかし、そうした評価が実際のシーズンでの成功に直結するとは限らないようだ。スポーツ専門チャンネル『ESPN』は、「なぜ『夏の移籍市場で勝つこと』がプレミアリーグのクラブを助けないのか」と題した記事で、過去10年間に「移籍市場の勝者」と評価されたクラブの成績を振り返り、大型補強とピッチ上の成果との関係を検証している。
 
 その象徴的な例として挙げられたのが、2024-25シーズンのリバプールだ。このシーズンにプレミアリーグを制した「レッズ」は、その直後、フロリアン・ヴィルツやアレクサンダー・イサクらを獲得。記録的な移籍金を投じ、攻撃陣やSB、守備陣、若手有望株まで幅広く補強しており、同メディアは「リバプールはイングランド最高のチームであり、加わった選手だけを見れば、さらに大幅に強くなった」と評していたものである。

 しかし、翌シーズンはリーグ5位に終わり、勝点は前のシーズンから24も減少。何とかチャンピオンズ・リーグ(CL)出場権を確保できたのは、イングランドに追加枠が与えられる新制度によるものだった。そして、優勝監督だったアルネ・スロット監督はわずか1年後に解任の憂き目に遭っている。

 記事では、「リバプールが移籍市場で勝ちながらも、シーズンでは弱くなったというなら、今夏の勝者と呼ばれるクラブには何が待っているのか?」と問題を提起。「“呪い”とまでは言えないが、サッカーの試合に勝つという点では、移籍市場で勝つことには大した意味がない」と指摘した。

 同メディアは、2016年のマンチェスター・ユナイテッドから2025年のリバプールまで、過去10年の「移籍市場における勝者」を独自に選定。ここにはパリ・サンジェルマン(2017、21年)、チェルシー(2020年)、マンチェスター・シティ(2022年)、レアル・マドリー(2024年)といった、大物選手を大量に獲得した「夏の主役」が並んだが、「補強前と補強後の国内リーグにおける成績を比較したところ、1シーズン平均の変化は勝点がわずか0.5増、得失点差が0.1改善、順位も0.1上昇しただけだった」と検証結果を報じている。
  そしてこの結果を踏まえて、「移籍市場で勝つことの価値は、少なくとも国内リーグでは基本的に何もない」と結論づけた。もっとも、2019年のリバプールや2021年のチェルシー、2023年のマンCなど、補強後にCLを制した例もあり、またノックアウト方式のコンペティションには偶然性も含まれるため、全てを夏の補強の効果として説明することには慎重な姿勢を示した。

  では、なぜ移籍市場での結果が、ピッチ上での成功に繋がりにくいのかが気になるところだが、記事では「メディア側の評価基準に問題がある」と分析。「我々メディアは、良い移籍を見極めることが得意ではない。最も多くの金を使い、最も有名な選手を獲得したクラブを『勝者』と呼んでいるだけだ」と指摘している。その一方で、「移籍市場は極めて非効率で、高額移籍ほど失敗する傾向もある」と説明。「多額の資金を投じるクラブほど、その非効率性の影響を強く受ける」との見解を示している。

 さらに同メディアは、「大型補強を必要とするクラブは、そもそも解決すべき問題を抱えているケースが多い。マンCやチェルシーは不振からの立て直しを迫られ、マドリーやパリSGはチーム全体の整合性よりも、スター選手の獲得を優先した。昨夏のリバプールについても、リーグ王者でありながら大量補強を行なった背景には、優勝メンバーの中心選手4人を失った事情があった」と論じた。

構成●THE DIGEST編集部

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配信元: THE DIGEST

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