いわゆる「大阪都構想」をめぐり、大阪維新の会は8月6日に会合を開き、大阪市を特別区に再編する際の区割りを「4区案」に一本化することを決めた。
維新はこれまで4区、8区、24区の3つの区割り案を比較・検討してきた。このうち4区案は、2020年に否決された前回住民投票での区割りを修正したものだ。港区、住吉区、東成区をそれぞれ前回案とは別の特別区に組み入れ、1区あたりの人口はおよそ70万規模と、政令市並みに。3案の中では、特別区への移行に伴うコストを最も抑制できるとしている。
これを受けて維新元代表の松井一郎氏は、同日放送の「関西情報ネットten.」(読売テレビ)に出演し、自身の見方を語った。この変更をもって、今回は住民投票に勝算はあるのかと問われ、松井氏は次のように断じている。
「厳しいやろね。今の大阪市で十分、満足する人が増えてきた。わざわざ特別区に作り変える必要はないと。僕と橋下さんの時代から府市の二重行政は見えなくしてきたし、なくしてきた」
その上で、吉村洋文知事とともに広域一元化条例によって、一体で広域行政を動かしていこうとしたとして、
「2011年から15年間、府市一体でいろんな事業を進めてきたし、結果も出ている。去年、万博もできたし、今賑わいの拠点として『うめきた』も世界から注目されるエリアになっている。だから『今でいいでしょ』という人たちが多いんじゃないかな」
「市長1人で280万人」より4つに分かれた方がニーズに応えられる
それならばなぜ、住民投票は必要なのか。松井氏が踏み込んで言う。
「特別区は目的じゃなくて手段。その手段の向こうに何があるかというと今、大阪市民は280万人。市長はできるだけ住民に寄り添ってニーズを聞ける体制が必要。1人で280万に寄り添うよりは、4つの区に分かれる方が、70万ぐらいで選挙で選ばれる区長が誕生する方が、より住民に近いところでニーズに応えられる。これが都構想の区割りをする目的」
前回投票では4区案で否決されているが、多少の変更を加えた4区案ではどうなのか。これについては、
「4区案が、案とすればベター。行政の仕組み、区割りに100点満点はありません。何か問題点はあるわけです。100点はないけど、280万で一人の市長が全て動かすよりは、基礎自治体としては4つの区、だいたい70万で役所を動かしていく方が、住民には近い政策ができる」
維新は来春の統一地方選に合わせて3度目となる住民投票の実施を目論んでおり、今年12月上旬にも都構想の設計図となる協定書案を取りまとめる方針だ。大阪の住民はどう判断するのか。
(鈴木十朗)

