中日ドラゴンズがようやく最下位を脱出した。8月5日のヤクルト戦で決勝打を放った石川昂弥が、
「球宴での同世代の活躍を見て、悔しかった」
と話せば井上一樹監督も、
「石川から『クリーンアップを任せてもらいたい』というのが見えてきた」
と成長を認めていた。
士気が高まる、明日に繋がる最下位脱出劇となったが、これはセ・リーグの波乱の幕開けとなったようだ。
なにしろ首位・阪神と2位・巨人のゲーム差が1。3位ヤクルトと巨人のゲーム差は9.5ながら、最下位・広島とは3.5差だ。1週間以内に3位と最下位が入れ替わる可能性を秘めている数字といえよう。
セ・リーグは僅差での首位攻防戦と、クライマックスシリーズ(CS)進出権を懸けた椅子取りゲームが「同時開催」されることになったわけだ。
連覇を目指す阪神にとっては、昨年の日本シリーズでのリベンジを果たすことが最大目標だが、3位以下の4チームは違う。CSに進出するのとしないのとでは、大違い。
CSファーストステージの主催権は2位チームにあり、ファイナルステージは優勝チームにあるものの、そこに辿り着くまでの間、主催ゲームでの大幅な観客増が見込めるからだ。
「前半戦が終了した時点での、12球団の観客動員数が発表されました。パ・リーグが6球団とも前年比でアップしたのに対し、セ・リーグは3球団がダウンしています。広島が3.9%減、DeNAが2.2%減でした」(スポーツ紙記者)
前年比-0.2%から営業面で最高の打開策になる
前年比でダウンしたもう1球団は巨人。こちらは地方球場での主催ゲームがあったためで、1.5%減だった。微減ゆえ、このまま阪神との僅差での優勝争いを続けていけば、プラスに転じるのは必至だ。
在京球団スタッフが言う。
「広島、DeNAの観客減は、ペナントレースの成績不振が無関係ではありません。広島は指定薬物エトミデートの事件も影響しているようですが、ヤクルト、DeNA、中日の熱心なファンが、CS進出を懸けたマツダスタジアムでの試合に駆けつけるでしょう」
マツダスタジアムのビジター応援席チケットは買いにくいとされるが、3位争いが熾烈になれば、チケットの販売方法を見直してくれるだろう。
セ・リーグ全体の前半戦の観客動員数は938万0594人。前年比0.2%のマイナスだった。営業において、優勝争いに加えての「3位争い」の盛り上がりは、最高の打開策になるだろう。
(飯山満/スポーツライター)

