
『借りぐらしのアリエッティ DVD』(ウォルト・ディズニー・ジャパン)
【画像】「えっマジか…」 これが『アリエッティ』監督が嫌った「意外なもの」です(4枚)
宮崎駿氏は新人監督を絶賛、一方本人は…?
2026年8月7日(金)の「金曜ロードショー」では、スタジオジブリ作品『借りぐらしのアリエッティ』が放送されます。映画は2010年に公開され、興行収益は約92.5億円を記録する大ヒットでした。
本作には、いくつかの裏話がありました。
●発案は「ジブリ設立」より前だった?
2008年公開『崖の上のポニョ』の次回作が別の企画に決まりかけていたとき、宮崎駿氏が思い出したように提案したのが『アリエッティ』でした。原作はメアリー・ノートンの英国児童文学『床下の小人たち』。宮崎氏と高畑勲氏が1970年前後から温めていた企画で、約40年を経て映画化が実現しました。最初の仮タイトルは「小さなアリエッティ」でしたが、「借りぐらし」という造語が現代に合うとして変更になったそうです。
●大抜てきされた新人監督「ムリです」
未来のスタジオジブリを見据え、若手スタッフを監督に起用しようと決めました。白羽の矢が立ったのが米林宏昌さん。米林さんは『崖の上のポニョ』で、ポニョが魚に乗ってやってくる印象的なシーンを描いたアニメーターでした。あまりにも突然の依頼に、最初は「ムリですよ!」と断ったそうです。
ここからは、本編内容に関する裏話です。
●自然の風景のモデルは、東京小金井市
冒頭で「翔」が車で渡る橋は、小金井市にある「天神橋」。終盤に「アリエッティ」がヤカンの船に乗るのは「はけの小路」を、それぞれ参考にしたとか。一方、「翔」が住む屋敷のモデルは、明治時代の三大庭園のひとつ、「盛美園」(青森県)に建つ「盛美館」といわれています。ジブリの社員旅行でスタッフが訪れたのがきっかけとのことです。
●「アリエッティ」の身長「10cm」だが、そうとも言い切れない
演出効果を優先しているため、小人の大きさはシーンによって微妙に変えられています。正確な縮尺よりも「そう見えること」を重視しているためです。
●床下の家が明るい理由
床下とは思えないほど明るい室内ですが、これは差し込んだ光をガラス瓶に反射させて室内を照らしているという設定です。背景美術にも細かな工夫が盛り込まれています。
●「翔」のモデルは神木隆之介
「翔」の声優でもある神木隆之介さんが、そのままモデルになっています。作画のスタッフルームに神木さんのポスターを貼って表情や動きを研究したそうです。
●お手伝いの「ハル」がしつこく小人を追い回すワケ
「ハル」は若い頃に「小人を見た」と周囲の人に言っても信じてもらえなかった悔しさがずっと残っており、それをいつか証明するため、小人の捕獲に執念を燃やしている……という裏設定があるそうです。
●虫がかわいらしく描かれているのは、米林監督が虫嫌いだから
米林監督がインタビューで、「リアルに描いても気持ち悪くなるだけなので、キャラクターっぽくした」と話しています。特にカマドウマはアリエッティと友達なので親しみやすくしたとのこと。
●米林監督の奥様は激怒した!
鈴木敏夫プロデューサーによると、製作終了後に米林監督の奥様から「二度と監督をやらせないで」と言われたそうです。監督業は連日深夜続き、ほとんど家に帰れなかったためで、『思い出のマーニー』を監督する際は、スタジオ近くへ引っ越したといいます。
●思わず涙……
完成した作品を観た宮崎駿氏は、「泣いちゃった」と満足げ。「ジブリ生まれの演出家が誕生した」と、米林監督を高く評価したそうです。
まだまだありますが、こうした豆知識に触れた後にもう一度作品を観ると、また違う楽しみ方ができるかもしれません。
※参考文献:
「ロマンアルバム 借りぐらしのアリエッティ」(徳間書店)
「ジブリの教科書13 借りぐらしのアリエッティ」(文春ジブリ文庫)
「仕事道楽 スタジオジブリの現場」(岩波書店)
