夏といえば「バーベキュー」もオススメしたい料理です。基本的に、味付けや切り方など細かいことは気にせず、肉や野菜を焼くだけなので誰にでも簡単に作れます。しかも、大勢でワイワイ楽しめるのも魅力のひとつです。自宅の庭、キャンプ場は定番ですが、最近では、準備や片付け不要な手ぶらで楽しめる施設などもあるそうです。
僕はバーベキューを信州の別荘に行った時によくやります。牛肉の塊やスペアリブ、フランクフルトはマストですが、オススメは厚切りベーコンです。脂身が多いのでボリュームがあって食べ応えがあるのです。普通のスーパーで簡単に手に入ります。豚バラもコスパがいいので試してください。いずれも味付けは塩、胡椒を振るだけです。
野菜はナス、キャベツ、カボチャ、トウモロコシ、ズッキーニ、皮付きヤングコーンなどの夏野菜を多めに取り入れると、見た目にもぐっと華やかになり、季節感も一気に出てきます。肉の合間に焼き野菜を挟むことで、脂の重さもほどよくリセットされ、最後まで飽きずに楽しめます。
個人的に外せないのは泥付きの長ネギの炭火焼き。そのまま網に乗せてじっくり焼き、表面が黒く焦げてきたら外側を剝くと、中からトロトロに蒸し上がった白ネギが現れます。これが驚くほど甘く、シンプルに塩を振るだけでも十分に主役級のおいしさになります。
なお、野菜は小さく切りすぎると網の隙間から落ちてしまいがちなので、基本は大胆なくらいの厚切りにしたほうがいいです。火を通すのに少し時間はかかりますが、その分、水分が逃げにくく、焼き上がりもジューシーに仕上がります。焼き目がついたところをかじると、素材そのものの旨みがしっかり感じられて、バーベキューならではの醍醐味を味わえます。
あとはカマンベールチーズ。丸ごと焼いたら中がトロトロになって、表面はちょっと焦げますが、これをパンに塗って食べると実に美味なのです。
シメの料理は焼きそばもいいですね。肉や野菜の旨みが残った鉄板に麵を広げて焼けば、自然とコクが出て、これがまた格別のおいしさになります。こうした焼きそば係は、男性が率先してやると意外とポイントが上がります(笑)。
あと、バーベキューの時に楽しみにしているのがマス・ヤマメの燻製です。実は、別荘の近くに釣り堀があり、養殖のマスやイワナが、慣れていない人でも面白いように釣れて、気づけば20〜30匹ということも珍しくありません。釣った魚はその場の調理場でさばいてワタを取り、そこにたっぷり塩を詰めてから別荘へ持ち帰ります。あとは燻製機にサクラのチップを入れてじっくりいぶせば、2時間ほどで完成。ふたを開けた瞬間に立ち上る香りだけでも十分に食欲をそそられます。シンプルな塩焼きとはまた違った奥行きがあって、こちらに手が伸びることが多いです(笑)。
バーベキューは気軽に楽しめるのが魅力ですが、煙や匂いなど周囲への配慮が不可欠です。ルールとマナーを守って大人のバーベキューを楽しんでください。
弘兼憲史(ひろかね・けんし)1947年、山口県生まれ。早稲田大学法学部卒。松下電器産業(現パナソニック)に勤務後、74年漫画家デビュー。以来『課長 島耕作』『黄昏流星群』などヒット作を次々生み出している。07年には紫綬褒章を受章。

