まさか、立つ鳥跡を濁すとは─。
「僕がいちばん怒っているのは、辞めたのは24年の9月で、もう2年近くになりますが、彼自身が返金をしてきたのは今年の2月に50万円の1回きりです。当然、俳優の収入に波があるのはわかっていますが、ない時でも『今月はこれしか返せないんです』と、5万でも1万でも返済するのが誠意ではないでしょうか。事故後にも、『生活水準を下げるべきでは』という僕らの提案を聞き入れることはありませんでした。その後の状況はわかりませんが、週刊誌で彼が運転していたという記事を目にして、『もう免許を取って運転しているのか』と驚くと同時に、僕らの想いは届いていなかったのだと愕然としました」(馬淵氏)
伊藤は釈放された際に、被害者に対して形式的なお詫びの言葉ではなく「一生かけて償っていきたい」と、最上級の謝罪の意思も口にしていたのだが‥‥。
「事故後、彼の想いを汲んで、被害者の方に対して事務所からお中元、お歳暮をお送りしていました。移籍後にお母さんに引き継ぎましたが、その後はわかりません。そもそも示談金も事務所が立て替えているものなので、その返済がなされないということは、被害者の方に対しての責任も全うしたとは言えないのではないかと。もちろん、彼が再起できなければ、立て替えたお金も戻ってきません。とても複雑な想いを抱えています‥‥」(馬淵氏)
伊藤の借金問題については、両事務所間で弁護士同士の話し合いが続いているようだが、確かに、現所属事務所のトライストーンが精算すれば、交通整理ができるように思える。何か考えがあるのか、山本氏の見解を聞きたかったが、「スケジュールが埋まっている」との理由で、対面でも書面でも回答を得ることは締め切り時点で叶わなかった。
ところで、今回の移籍事案で興味深いのは、トライストーンが日本音楽事業者協会の加盟社であり、他ならぬ山本氏が理事も務める。一方で、モデルエージェントであるボン イマージュは日本モデルエージェンシー協会に加盟してはいるが、音事協にはイマージュエンターテインメントとともに非加盟社であることだ。
「モデルは引き抜きされやすいんですよ。お互いに手を出さないという、取り決めができればいいと思うのですが‥‥」(馬淵氏)
音事協加盟社間での引き抜きはご法度とされているが、非加盟社は草刈り場となるのであろうか─。

