
「心が撃ち抜かれたような状態」長友佑都はなぜ現役続行を決断したのか「身体と心のギャップがあって、正直、苦しくて」
2026年8月8日、長友佑都がJ1リーグのFC東京対FC町田ゼルビア戦を前に味の素スタジアムで記者会見を実施。北中米ワールドカップで日本がブラジルに敗れたあと、一旦は無所属となり去就が注目されていたベテランが今後のキャリアについて口を開いた。
「僕はFC東京と契約更新をさせていただきました。今シーズンも応援よろしくお願いします。気合を入れていきます」
一度は引退も考えたはずだが、なぜ現役続行を決断したのか。
「ワールドカップが終わった後は正直、4年間かけてきた思いがすごく強かったので、(ブラジル戦の)敗戦を受けて引退の方向に気持ちが傾きましたが、5年前にFC東京に戻ってきてから何ひとつタイトルをもたらしていない。日々を過ごすうちに自分自身、情けなく、悔しい思いが湧いてきて。FC東京でシャーレを掲げたい思いが強くなったので、現役続行の気持ちを固めました」
ブラジルに敗れた後は「心が撃ち抜かれたような状態」だった。それでも魂に火がついた要素はなんだったのか。
「放心状態でしたが、足は戦いたいと。身体と心のギャップがあって、正直、苦しくて。身体はワールドカップで不完全燃焼だけど、心は穴が空いている感覚でビジョンが見えませんでした。でも、負けたことの悔しさとFC東京でタイトルを獲れていない情けさが溢れてきて、もう一回、ここで戦いたい気持ちになりました」
長友佑都は、豊富な運動量と対人守備、強靭なメンタルを武器に、日本と欧州の第一線で長く活躍してきたサイドバック。愛媛県出身で、東福岡高から明治大学へ進学。大学在学中にFC東京の特別指定選手となり、2008年に正式加入すると、スピードと闘争心あふれるプレーでレギュラーに定着した。
2010年の南アフリカ・ワールドカップで全世界に存在感を示すと、大会直後にイタリア・セリエAのチェゼーナへ移籍。そこでインパクトを放ち、わずか半年後には名門インテル・ミラノへ加入した。インテルでは長友の献身性と守備力が高く評価され、レギュラーとしてセリエAやUEFAチャンピオンズリーグで躍動。日本人選手として欧州最高峰の舞台で確かな足跡を残した。その後はトルコのガラタサライでリーグ優勝を経験し、フランスのオリンピック・マルセイユでもプレー。2021年から古巣のFC東京に在籍している。
日本代表では2008年にデビューし、10年から5大会連続でワールドカップのピッチに立った。長年にわたり左サイドバックの主軸として日本代表を支え、国際Aマッチで146試合出場を記録するなど、日本サッカー史に残るキャリアを築いている。
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)
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