【スージー鈴木の週刊歌謡実話第42回】
少女隊
『FOREVER~ギンガム・チェックStory~』
作詞:亜伊林/作曲:都倉俊一
編曲:J.ダンドリア・D.ウィートリー
1984年8月28日発売
少女隊の小さなピーク『Bye‐Byeガール』
「鳴り物入りでデビューしながら、いつの間にか解散していたグループ」――
『少女隊』というグループ名から、私と同世代の読者の方が想起されるのは、大体こんなところではないでしょうか。
そもそも少女隊という名前からして、ジャニーズ(当時)の『少年隊』のバッタモンという感じでした。
レコードデビュー自体は、実は少女隊の方が早かったのですが、ヒガシ、ニッキ、カッちゃんの本家(?)少年隊は、少女隊のデビュー前から、テレビに出まくっていたのですから。
そんな彼女たちに、小さなピークがあったとすれば1985年発売、TBS系ドラマ『夏・体験物語』の挿入曲『Bye‐Byeガール』でしょう。
ドラマには、主演・中山美穂をもり立てるように少女隊のメンバーも出演。当時イケイケだった秋元康の歌詞も良かったのか、最高位13位、10万枚近くの中ヒットとなります。
ですが、少女隊といえば、何といっても、今回ご紹介するデビュー曲なのですよ。
「鳴り物入りでデビューしたくせに、いつの間にか解散した?」――そんな話はどうだっていい。私にとって少女隊は「名曲『FOREVER~ギンガム・チェックStory~』を歌ったグループ」に尽きるのです。
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サブスク時代にこそ聴いてほしい一曲
どう名曲かというと「都倉俊一の最高傑作」という意味での名曲。
山本リンダやピンク・レディーで語られる人で、最近では文化庁長官にまでのぼりつめたイケメン作曲家というイメージですが、もう一つの顔は「歌謡曲に洋楽のエッセンスを吹き込む達人」。
『FOREVER』をぜひ、サブスクや動画サイトで聴いてみてください。「あ、これ洋楽のカバーかな」と思われるはずです。からっと乾いて、つるっつるに垢抜けたハーモニーとメロディー。それでいてサビは異常にポップでアイドル歌謡としても成立している。
「何でこれが最高32位、3万枚しか売れなかったのだ」と、憤りに近い感情すら抱きますが、でも、売れなかったからこそ、42年後の今でもここで、真価を紹介する原稿を書けるのでラッキーっちゃラッキーか。
さて、この歌には個人的思い出があります。
私が出演していたBS12『ザ・カセットテープ・ミュージック』の「都倉俊一特集」で私がこの曲を推しに推し、共演しているマキタスポーツが「例えば誰に?」と聞いてきたので、その場のノリで、歌唱力で定評のあるアイドルグループ=まちだガールズ・クワイアに歌ってほしいと言ったのでした。
すると、あれよあれよという間に、某イベントで共演することとなり、私に向けて彼女たちが、この曲をなんと生で歌ってくれたのですよ。うれしかったな。
というわけで、売れたかどうかなんてどうだっていい。個人的な思い出も含めて、この曲は、私にとって永遠=FOREVERなのです。
「週刊実話」8月13日号より
スージー鈴木/音楽評論家
1966(昭和41)年、大阪府東大阪市出身。『9の音粋』(BAYFM)月曜パーソナリティーを務めるほか、『桑田佳祐論』(新潮新書)、『大人のブルーハーツ』(廣済堂出版)、『沢田研二の音楽を聴く1980―1985』(講談社)など著書多数。
