
【バイタルエリアの仕事人】vol.67 ナルシス・ペラッチ・ナダル|「プレミアリーグでの時間は…」スペイン、イングランド、そして日本へ――大宮の若き指揮官の過去と未来
攻守の重要局面となる「バイタルエリア」で輝く指導者・選手たちのサッカー観に迫る連載インタビューシリーズ「バイタルエリアの仕事人」。第67回は、2026/27シーズンよりRB大宮アルディージャの指揮を執るナルシス・ペラッチ・ナダル監督だ。
前編ではバイタルエリアの定義や戦術的な影響を受けた指導者、大宮の指揮官に就任した経緯を語ってもらった。後編では、指導者キャリアの出発点となったジローナ時代や約5年に及ぶイングランドでのキャリアで培った経験、そしてそれらを大宮でどう活かしていくかに迫る。
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現役を退いた後、26歳でスペイン4部リーグのチームで指導者を始めた。当時は国内で最も若い監督だったと思う。そこで1年半ほど経験を積んだ後、ジローナからオファーを受け、3部に相当するジローナBの指導をスタートした。
当初はボール保持を重視したポジショナルプレーをベースに、攻撃的で前向きなフットボールを展開していた。29歳の時にはジローナのトップチーム入りの打診を受け、アシスタントコーチに就任した。
その後イングランドへ渡り、5年間でプレミアリーグへの昇格プレーオフを二度経験した。一度はウェンブリーでの決勝で、もう一度は準決勝で敗れ惜しくも昇格は逃したんだ。だけど、非常に濃密なキャリアを築くことができた。そこからウェストハムへの道につながっていった。
世界最高峰の舞台であるプレミアリーグのウェストハムでは、トップクラスのスター選手たちや著名な指揮官とともに同じ時間を過ごした。その濃密な現場で得た学びとは――。
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プレミアリーグでの時間は信じられないほど貴重だった。イングランド代表のジャロッド・ボーウェン、ブラジル代表のルーカス・パケタ(現:フラメンゴ)、ガーナ代表のモハメド・クドゥス(現:トッテナム)に加え、過去にワールドカップ優勝を経験したフランス代表のアルフォンソ・アレオラやアルゼンチン代表のギド・ロドリゲス(現:バレンシア)など、一流の選手たちとともに仕事ができたことは素晴らしい経験だったと言える。
多くを学び、『私がこんなにレベルの高い選手たちを相手に指導できるんだ』という自信も芽生えた。
ロンドン・スタジアムの雰囲気も圧倒的で、世界最高峰の環境で指導できたことは私にとって大きかった。ウェストハムでアシスタントコーチを務めていた時に監督をしていたグラハム・ポッター(現:スウェーデン代表監督)から学んだ知識も多く、それらすべてを今、大宮の選手たちに共有しているところだ。
スペインとイングランド。異なる二つのサッカー文化で積み上げてきた現場経験を、ナダル監督はこれからRB大宮アルディージャへどのように還元していくのだろうか。
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母国スペインでは、スペースとタイミングの概念、そして一つひとつの判断が試合にどう影響を与えるかというフットボールのロジックを学んだ。そういった構造的な面や攻守における判断力を高める方法を大宮の選手たちには伝えていきたい。
また、イングランドではフットボールへの情熱や、戦うメンタリティの重要性を学んだ。イングランドの人々にとってフットボールは宗教のようなものであり、その情熱や粘り強さは今も私の一部になっている。
だから大宮では、一つひとつの試合が、選手だけでなく、ファン・サポーターにとってどれだけ大きな意味を持つかということを教えていきたい。
私はフットボールを心から愛している。単なる仕事ではなく、人生であり夢そのものだ。だからこそ、毎日笑顔で練習場に顔を出し、情熱を持って取り組むことができる。
失敗や敗戦から学び、成長してよりよくなっていくための原動力は全てフットボールへの愛から生まれるものだ。イングランドでの経験によって指導者、そして人として成熟できた面は多くある。だけど、フットボールへの情熱は少年時代にスペインで出会った頃と変わっていない。
※このシリーズ了
取材・構成●保坂悠輝(サッカーダイジェストWeb編集部)
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