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J2開幕戦で藤枝の17歳・北原槙が漂わせたブレイクの予感。槙野智章監督が称賛も…U-17日本代表のエースはなぜ自身の出来に満足していないのか

J2開幕戦で藤枝の17歳・北原槙が漂わせたブレイクの予感。槙野智章監督が称賛も…U-17日本代表のエースはなぜ自身の出来に満足していないのか


[J2・第1節]藤枝 2−0 仙台/8月8日/藤枝総合運動公園サッカー場

 俺もいるぞ――。そう言わんばかりの活躍ぶりだった。

 8月7日の開幕戦(対鹿島/3−4)で、横浜FMの16歳MF三井寺眞が先制点を含む全3得点に絡んだ翌日。MF北原槙が新天地で目覚ましいパフォーマンスを見せた。

 高校入学前だった昨年3月1日に中学3年生でプロデビュー(J1第4節・鹿島戦/0−2)を果たすなど、将来を嘱望されてきた現在17歳の北原は、今季から慣れ親しんだFC東京を離れ、藤枝に期限付き移籍で加入。さっそく開幕スタメンを勝ち取ると、3−4−2−1の左シャドーで先発し、キレのあるドリブルとパンチの効いたシュートに加え、正確なキックでチームの勝利に貢献した。

 J2・J3百年構想リーグで優勝した仙台に対し、序盤からエンジン全開で持ち味を発揮する。ショートカウンター主体の攻撃において、馬力のある突破で相手守備網を破壊。17歳とは思えない強靭なフィジカルで相手DFを抑えながら、積極的にボールを前に運んでいく。
 
 ボックス内でも強みを示し、左右の足から強烈なシュートを打ち込んだ。11分にはゴール前でラストパスをもらうと、左足を振り抜く。惜しくも決めきれなかったが、その直後の12分に左CKからCB鈴木翔太の先制点をお膳立て。正確な右足のキックでプロ初アシストをマークした。

 その後は攻撃面で特徴を発揮しつつ、守備でも強度の高い守りを披露。2月に行なわれたU-17日本代表のアルゼンチン遠征で突きつけられた課題でもあった、出足の鋭いプレスで何度でもボールを追い続けてタスクを遂行。後半も勢いは衰えず、60分と61分に決定的なシュートを左足で放つ。これも枠を捉えきれず、その直後に交代となってピッチを退いた。

 親交がある三井寺の活躍から刺激をもらい、試合前にもやり取りをしていたという北原。「色んな若い選手たちがJ1で戦って、得点を取ったり、絡むプレーをしているぞ」。こんな言葉をかけられて槙野智章監督に送り出されたが、物怖じしないメンタリティで結果を残した。開幕戦で期待に応えた北原に対し、指揮官はスタメンに抜擢した理由と今日の出来についてこう語る。

「若干17歳ではありますけど、僕は(ほかの17歳の選手と)同じ目線で考えていないです。しっかりと高い要求を彼にしていますし、よりA代表や海外に目を向けてやらなきゃいけない。そのタスクというところは厳しくしています。試合で出た課題も含めて、彼は真剣に取り組んでいますし、このスターティングメンバーも彼自身で掴んだもの。(仙台戦は)しっかり表現してくれたと思います」
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 賛辞送った一方で、より高いレベルを求めているのも事実。槙野監督はこう続けた。

「まだまだできると思いますし、もっとやる、もっとやってもらわないといけない。勝利した後でも、本人の口から『僕が点をとっていればもっと楽なゲーム展開に持っていけた』という反省の弁を述べていた。若干17歳でスターティングメンバーに入って勝ったら満足すると思いますけど、すぐに反省の言葉が出るという意味で、すごく面白い選手がこのチームに加入した。化けさせるうえで、僕の手腕も鍵を握ると思います」

 本人の言葉からも向上心が見て取れる。

「自分の特徴を活かしてアシストできたことは良かったけど、でももっともっとできたと思うし、決められたと思う」

 決定機を活かせなかった事実は変わらない。その現実に直視できる17歳はそういない。並の高校生なら開幕戦でアシストをして満足してしまうだろう。守備に関しての自己評価も、周囲とは異なる。
 
「守備の部分はこのクラブで一番求められること。そういった意味で求められるところに来ているからこそ、(信頼を)勝ち取りたいって思っている。だけど、このプレーを続けていても、いつスタメンを外されてもおかしくないと正直思っている。そういった意味でももっと守備をやって、攻撃で違いを出せれば良いなと思います」

 この自分と向き合う姿勢は、若き日のMF久保建英(レアル・ソシエダ)やMF佐藤龍之介(バレンシア)を彷彿させる。彼らもまた自分に厳しくあり、どんな時も矢印を自分に向けてきたからこそ、早くして海を渡った。FC東京で育った先輩の背中を見てきた北原にとって、その振る舞いは当たり前。もっと上手くなりたいという純粋な気持ちがそうさせているのだろう。

 第2節は15日のアウェー・いわき戦。北原の物語はまだ始まったばかり。17歳の新たな冒険から目が離せない。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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