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永井豪“幻のマジンガー”の衝撃設定 異世界転移にトップレス姫騎士との身長差ロマンスも

永井豪“幻のマジンガー”の衝撃設定 異世界転移にトップレス姫騎士との身長差ロマンスも


『マジンガーZ オリジナルver.新装版』 第2巻(作・永井豪/ダイナミックプロ、講談社)

【画像】え…っ!「カッコよすぎ!」こちらが“幻のマジンガー”のビジュアルです(3枚)

知られざる異色マジンガー

 永井豪先生が生み出した「マジンガー」シリーズといえば、『マジンガーZ』を筆頭に『グレートマジンガー』『UFOロボ グレンダイザー』、さらに『魔神伝説(ゴッドマジンガー)』『マジン・サーガ』『Zマジンガー』『グレンダイザーギガ』など、数多くの作品が知られています。しかし、知る人ぞ知る「幻のマジンガー」が存在することをご存知でしょうか。

 画集や書籍を刊行する「トレヴィル」(現エディシオン・トレヴィル)が1992年に出版したのは、アメリカ向けに描き下ろされたという全1巻の『MAZIMGER』でした。作者はもちろん永井豪先生。それまで発表したどの「マジンガーシリーズ」とも異なるオリジナル設定およびストーリーです。しかもその内容は「予言か!?」と思うような時代設定でした。

 はじめからアメリカ市場へ向けて描かれたものなので、もちろん中身はフルカラー。言語は英語で、欄外に翻訳文が掲載されていました。

 1999年に『MAZINGER U.S.A.Version』とタイトルを変えて講談社が刊行した本作は、220X年が舞台のSFおよびファンタジー作品。206X年に全面核戦争に発展し、国家の4/5が消滅、人類90%が死滅した終末世界で無限戦争を繰り広げていたカブト少佐が主人公です。

 しかも最終戦争へと至る過程では「201X年にロシアで軍事クーデターが勃発。東欧へ侵攻」という記述もあり、混迷する現在を予言したかのような内容でした。

 さて「マジンガーシリーズ」といえば、『マジンガーZ』『グレートマジンガー』『UFOロボ グレンダイザー』までの作品が世界を共有しており、以降の『魔神伝説(ゴッドマジンガー)』『マジン・サーガ』『Zマジンガー』『グレンダイザーギガ』はそれぞれ独立した物語です。

 本作『MAZINGER』もその独立した物語のひとつ。これまでのシリーズと一切関係のない世界で「コンバットアーマー・マジンガー」を操縦していたカブト少佐は、敵戦艦の攻撃の余波で別次元へと転移させられてしまいます。

 そこは剣と剣が火花を散らすファンタジー世界。出現するなりトップレスの姫騎士「クリシュナ王女」と出逢ったカブトは、クリシュナ姫が統治するリスゴー王国を守るため、戦闘民族であるトカゲの種族「大国ザルドゥ」と戦う決意をします。

 おもしろいのはその世界設定で、住人はすべてマジンガーサイズの巨人となっていました。もちろんクリシュナ姫も同様。当初はMAZINGERを鎧の騎士と思い込んでいましたが、カブトの正体を知って大いに驚きます。つまりカブト少佐とクリシュナ姫は、種族を越えるどころか身長差を越えるロマンスに身を焦がしながら戦地へと赴くのです。

 またMAZINGERの設定もユニークでした。マジンガーZやグレートマジンガーのような搭乗メカを使わない固定コクピット式となっており、乗り込む際はマスクの部分が展開するシステムです。操縦席をマジンガーZと同様の額部分まで押し上げることもでき、これまでの「マジンガーシリーズ」にはない味わいがありました。

 気になる武装は片手剣がメインの近接バトルスタイル。MAZINGERの見た目もあり、ゴッドマジンガーを発展させたようなイメージです。ここからさらに発展させたであろうマジンガーが、1990年に連載をスタートしたマジン・サーガの「Z」だと思うと、その中間デザインに心が躍ります。

 なお『MAZINGER』は日本国内では1992年に刊行されましたが、アメリカでは1988年に出版されています。連載の合間に少しずつ作業を進め、結果的に完成まで5年ほどかかっていると巻末コメントに記されていましたから、企画自体は1983年あたりからスタートしたと考えてよいでしょう。

 アニメ『ゴッドマジンガー』とそのコミック版『魔神伝説』が1984年の作品ですから、まさにその時代に生まれたのが『MAZINGER』だったのです。『ゴッドマジンガー』でも太古の世界を舞台に恐竜軍団と戦う物語が描かれており、共通点の多い作品となっていました。

 紙媒体としてはこれまで2度しか刊行されておらず、古本屋に流れてくるのを待つしかなかった本作ですが、現在は一部の電子書籍サイトで購入できるようになっているので、ご興味があるかたはぜひ。

配信元: マグミクス

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