
福山雅治が、8月9日に都内で開催された映画「あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。」公開記念舞台あいさつにサプライズ登場。この日は、81年前に出身地である長崎に原爆が投下された日ということで、「8月9日」への思いを語る場面があった。
■サプライズ登壇に一同驚き
本作は、10代を中心に絶大な人気を博し、シリーズ累計発行部数は180万部を突破した、汐見夏衛によるベストセラー小説「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」の続編。前作は2023年12月に実写映画として劇場公開され、興行収入45億円を突破する大ヒットを記録した。続編であり完結編となる本作は、前作から7年後が舞台。愛する人を失い、それでも明日へと歩き出す“再生”の物語となる。
前作の「想望」に続き、今回は主題歌「邂逅」を書き下ろした福山は、イベント終盤にサプライズで登壇。予期せぬ登場に沸く観客の声援に、笑顔で応えた。
舞台あいさつの日が長崎原爆の日ということに触れ、福山は「今日は8月9日です。長崎出身の僕にとって、1945年8月9日11時2分という時間は、やはり自分が今ここに立っていること、この世に生まれたこと、生きていることを非常に深く考えさせられる1日でございます」と切り出す。
続けて、福山は「僕の父は昭和7年(1932年)の生まれで、当時13歳でした。長崎に稲佐山という山がありまして。稜線が2つほどあって、稜線の向こうに祖母と一緒に暮らしていたものですから、直接的に上空で炸裂した原子爆弾の被害というのを受けることはなかったんです。多くの方が犠牲になられたので、『幸いにして』というのも言葉は軽いかもしれませんが、僕の父や祖母は直接的な被害は免れているんです」と打ち明けた。
その上で、福山は「僕は1969年生まれですけれども、エンターテインメントの仕事をさせていただくようになり、表現の活動をしていく中で、何かやらなければいけないことの一つだなというふうにずっと思っていました。社会課題とエンターテインメントの接続、高い次元での融合、メッセージ性だけではなく、感動や興奮を届けていくという。それを自分なりにずっと模索していた中で、いくつかアプローチをしてきたんですが、前作の『想望』でこの作品と出会えたことというのは、ずっと探していたことの一つの到達点だったと思っております」と、この作品との出会いをしみじみと振り返る。
さらに「これも本当に運命なんだな、と。プレッシャーはもちろんありましたけれど、これは自分がエンターテインメントをやる人間として、長崎出身の人間として、大きな取り組むべき仕事なんだなと思って、取り組ませていただきました」と、本作に携わることへの強い使命感を述べた。
■汐見夏衛氏「いろんな世代に広がっていくんだなと」
それを受けて、原作者の汐見夏衛氏は「私が原作を書いたときは、小学生とか中学生とか、戦争について直接、話を聞く機会もないような若い世代の学生さんに、考えるきっかけ、感じるきっかけを受け取ってもらえないかなという思いで書き始めた話なんです」と述懐。
また、汐見氏は「いろんな方に見ていただけるようになって。特に福山さんが主題歌を書いてくださったことがきっかけで、福山さんのファンの方が映画を見て、本を買ってくださって。子どもと一緒に本を読んで、映画を見て、って方が何人もいらっしゃったんですけど、いろんな方が携わってくれるおかげで、いろんな世代にさらに広がっていくんだな、というのを感じたので、おこがましいですけど、私がその影響を与えるきっかけになるようなものを作ったのかな、と思うととても恐縮です。ありがとうございます」と感謝を伝えると、福山は「出会うべくして我々は出会ったんだと思います」と返していた。

■福原遥「次の世代にバトンを渡せるような存在になったら」
主演の福原遥は「私たちも戦争のことって教科書だったり、そういうもので知って、なかなか近くに感じることが減っていってるんじゃないかなと。この間学生さん限定のイベントがあったんですけど、高校生の皆さんがいろんなものをこの作品で受け取ってくださっていて。本当にこの作品で若い世代の方にも、もっともっと、こういうことがあったっていうことも含めて、ちゃんと知って、次の世代にバトンを渡せるような存在になったらいいなと思ってます」と力を込めた。
そして最後に、作品から「乗り越えていくこと」を感じたという福山は「乗り越えていくことが1人1人の登場人物、キャラクターの中に描かれていて、まさに『人生の映画』だな、というふうに感じています。どうぞ皆さんの心の中にきっとお持ちでいらっしゃると思いますが、忘れられない悲しいことや苦しいこと、それも含めて、こうやって人は前に一歩踏み出すんだな、乗り越えていくんだな、ということを感じてもらえるような作品になるとうれしいなと思っています」と観客に呼び掛けた。
ほか、イベントには細田佳央太、出口夏希、豊嶋花、井之脇海、メガホンをとった新城毅彦監督も登壇した。
映画「あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。」は大ヒット上映中。
◆取材・文=月島勝利(STABLENT)

