
ステラ・ルーシェもまた「報われないガンダムヒロイン」のひとり。「機動戦士ガンダムSEED DESTINY 5」DVD(バンダイナムコフィルムワークス) (C)サンライズ
【画像4枚】SEEDシリーズといったらやっぱコレ こちら「いろいろとエグイ」MSです
理不尽さを描いた名シーンの数々
2002年からTV放送された『機動戦士ガンダムSEED』(以下、『SEED』)、および2004年の続編『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』(以下、『DESTINY』)は、「モビルスーツ」(MS)の迫力ある戦闘シーンはもちろん、キャラクターたちの葛藤をテーマにした物語で人気を博しました。一方で、人種対立を発端にした戦争が繰り広げられる本編では、少なからず非情なシーンが描かれることもあり、視聴者に大きなインパクトを与えています。
作中では、従来の人類「ナチュラル」と遺伝子調整を受けた人類「コーディネイター」による戦いが繰り広げられ、『SEED』第37話(HDリマスター版第35話)では戦局が決したのちに捕虜の扱いが問題になる一幕がありました。
同話の中盤以降では、コーディネイターの国家「ZAFT(ザフト)」によってナチュラルの軍事組織「地球連合軍」が陣を敷くパナマ基地への襲撃がおこなわれます。連合軍は新たに開発したMSで応戦するも、ザフトが投入した新兵器「グングニール」による電磁波攻撃が連合軍のコンピューターを直撃したことにより戦局が決しました。
敗色濃厚となった連合軍には、ザフト軍へ投降しようとする兵士もいましたが、一部のザフト兵は「ナチュラルの捕虜なんかいるかよ」と、無情にも彼らへMSの機銃を浴びせます。各々の憎悪の深さについて語り継がれるシーンのひとつです。
コーディネイターへ施された遺伝子調整に、複雑な思いを抱いてしまうシーンもありました。『SEED』第45話(HDリマスター版第43話)では、「コーディネイターという存在の罪」についてザフト軍の指揮官「ラウ・ル・クルーゼ」の発言を端緒に語られます。
男女が「目はブルーが良いなぁ、髪はブロンドで」と子供の見た目を話し合い、理想通りの姿や能力で遺伝子調整された子供を作り上げようとするものの、母体による不確定要素も少なくないため、必ずしも思い通りにいくとは限りません。生まれた子に対し、「目の色が違うわ」と拒絶する女性も描写されました。
そうしたなか、理想を追い求めた研究者によって作り出されたのが、主人公「キラ・ヤマト」です。遺伝子調整が当たり前になった世界観と、その価値観のずれを端的に表したエピソードといえるでしょう。
『DESTINY』では、連合軍のガンダムパイロット「ステラ・ルーシェ」をはじめとした強化人間にまつわるアレコレも胸糞でした。強化人間「エクステンデッド」たちは、操縦能力を向上させるために薬物を投与され、引き金となる「ブロックワード(禁句)」を耳で聞いたり、口にしたりすると発狂するように処置されます。
敵味方の間柄ながら交流を深めた主人公のひとり「シン・アスカ」に捕虜として保護されたステラは、ザフト軍では必要な治療が受けられないため衰弱していきます。ステラの状態を見かねたシンは独断で彼女を連れ出し、二度と戦場に出さないことを条件として連合軍へと返すのでした。
ところが、その約束は守られず、ステラはシンの記憶を消されたうえで「デストロイガンダム」に乗せられ、再び戦場に駆り出されてしまうのです。シンはステラを説得しようとしますが、キラの「フリーダムガンダム」の介入によってステラは命を落とすことになりました。こうした報われないエピソードも、「SEED」シリーズとして忘れられないシーンのひとつかもしれません。
