
本作は、ステイサム演じる国家の“抹殺リスト”に載った元特殊部隊員マイケル・メイソンが、英国情報機関MI6を相手に壮絶な戦いを繰り広げるリベンジスパイアクション。コミカルさを排し、リアルな銃撃戦や近接格闘、ブービートラップを駆使したサバイバル描写を通して、ステイサムが“孤高のアウトロー”へと原点回帰を果たす。嵐で唯一の肉親を失った少女ジェシーを守りながら逃避行を続けるなか、心に傷を負った2人は、互いを支え合い、父娘のような絆で結ばれていく。ジェシー役には、『ハムネット』(25)で注目を集めたボディ・レイ・ブレスナックが抜擢され、メイソンを執拗に追う元MI6長官マナフォート役を英国の名優ビル・ナイが務める。監督は『グリーンランド-地球最後の2日間-』(20)などで知られるリック・ローマン・ウォーが務める。
解禁された場面写真がとらえたのは、銃を構える姿でも、敵をなぎ倒す瞬間でもない。静かに少女を見つめるまなざし、眠れない少女を気遣い、寝たふりをしながらそっと見守る姿、傷ついた少女を優しく抱き寄せる姿など、これまでのイメージを覆すような人間味あふれる表情ばかりが切り取られている。
ウォー監督はメイソンについて「彼は孤独で欠点もある男。自らの選択によって社会から離れ、人里離れた島で暮らしています」と説明。当初はジェシーを遠ざけようとするものの、「やがて彼は彼女に惹かれ、この子を守ることに生きる意味を見いだし、自分の安全よりも彼女の安全を優先するようになる」と、その心境の変化を明かしている。
監督が本作でなにより描きたかったのも、派手なアクションではなく2人の関係性だという。「一人は自ら孤立を選んだ男。もう一人は望まぬ形で大切な人を失った少女。二人とも“見捨てられた”という感覚を抱えている。そんな二人が少しずつ家族のような存在になっていくことが、この映画の核です」。ステイサムについても「彼には昔から圧倒的なカリスマ性がありました。しかし本作で私が引きだしたかったのは“本物らしさ”です」と語り、「観客はアクションヒーローを見るのではなく、欠点や弱さ、そして重荷を抱えた一人の人間を見ることになる」と続けた。
英国政府とMI6を相手に繰り広げられるリアル志向の肉弾戦や、ステイサムの身体能力を生かしたアクションシーンも見どころの本作。少女との出会いが孤独な男の物語の行方をぜひ劇場で目撃してほしい。
文/鈴木レイヤ
